3月22日に行われたWBC決勝にて、日本が3対2でアメリカを下し14年ぶりの優勝を勝ち取った。9回にマウンドに上がった大谷翔平は、エンゼルスのチームメイトであるトラウトとの直接対決を制して試合を決め、大会MVPにも輝いた。
そんな大谷を、アメリカで最も取材してきたのがロサンゼルス・エンゼルスの地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」のエンゼルス番、ジェフ・フレッチャー氏だ。2022年7月には、彼が執筆した『SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男』(徳間書店)が日米同時発売となった。
投手としての大谷翔平を解説した、前編記事『大谷翔平が持っている「本当に凄まじい能力」の正体…アメリカの番記者が明かした』に引き続き、彼へのインタビューを通して、あらためて大谷の強さに迫ってみたい。

「大谷シフト」禁止も追い風
一方、打者・大谷の'23年はどうか。'21年と'22年の成績を比べると、打率は上がったものの、ホームランは46本→34本と本数を減らしている。それには明確な2つの理由があるという。
「'22年にホームランが減ったのは大谷だけではないのです。メジャー全体でホームランの数が減っています。大谷がスライダーを多投したように、フライを打たせないように投手が対策を練ったのが理由です。
また、もう一つ大きな理由としては、試合で使うボールが、飛ばないボールに変わったということです。それでも打率は上がりましたし、以前より全方向に打球を飛ばせるようになりました。打者としては確実に進化している」