2023.03.23
# 野球

大谷翔平がメジャーに行く前に「熟読していた文庫本」、その「本の名前」と「著者の正体」

WBCで圧倒的な活躍を見せ、日本の世界一に大貢献した大谷翔平。

そんな大谷がメジャーに行く前、愛読していた一冊の文庫本があることをご存じだろうか。

タイトルは『運命を拓く』。

いったいどんな人物が、何を書いた本だったのか。

(本記事は、週刊現代の記事を再編集したものです)

 

「人生哲学」の第一人者

「1年間すごく充実して楽しい時間を送れた。いいシーズンでした」

2018年11月22日、前日にアメリカから帰国したばかりのエンゼルス・大谷翔平は、会見で満面の笑みをうかべながら語った。

見事というよりほかないルーキーイヤーだった。

この年、肘を故障し二刀流こそ途中で断念したものの、4勝22本塁打、打率・285の成績でシーズンを終了。リーグ断トツの得票で新人王に選出された。

世界中から才能が集まる競争の世界で、圧倒的な成績で、実力を認めさせる。大谷の強靭な精神力の源は、どこにあるのか。本人は多くを語らないが、そのヒントが、渡米前に熟読していた本に隠されている。

昭和期の思想家・中村天風(1876-1968年)の『運命を拓く』だ。

中村天風。聞き慣れない名前だが、京セラ創業者の稲盛和夫氏のほか、日本電産の永守重信会長、H.I.S.の澤田秀雄会長兼社長ら、多くの財界人が座右の書として天風の本を挙げており、その世界では有名な存在だ。

大型の書店におもむくと、ビジネス書のコーナーにはたいがい「天風本」の棚が用意されており、いまでも毎月のように、その言葉や講演を解説した新刊が出版されている。

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