大谷翔平が熟読していた本に書かれた、人生を劇的に変える驚きの言葉【死んでないかぎりは生きてんだ】
WBCで圧倒的な活躍を見せ、日本の世界一に大貢献した大谷翔平。 そんな大谷がメジャーに行く前、愛読していた一冊の文庫本がある。 タイトルは『運命を拓く』。著者は中村天風。
前編『大谷翔平がメジャーに行く前に「熟読していた文庫本」、その「本の名前」と「著者の正体」』ではその著者の人生について記したが、後編では『運命を拓く』が大谷選手、またそれ以外の大物たちに与えた影響についてみていこう。
(本記事は、週刊現代の記事を再編集したものです)
王の一本足打法にも影響
人生の「肯定」と目標に向けた「努力」。こうしたポジティブな精神性にくわえて、天風の哲学が一流の人々に受け入れられる要因になっているのが、その実践性の高さだ。
たとえば、自己暗示をかけやすい入眠前に楽しいことを考えるようにする「連想暗示法」や、無心になって集中力を養う座禅法「安定打坐」など、現代の科学からしても理にかなった方法を自ら開発し、普及させている。
ビジネス書評家の土井英司氏が言う。
「天風自身が死の手前で苦しむ経験をしたため、ひとつひとつの言葉が実際の身体と通じている。
たとえば、心身の精気が集まるへその下の部分『臍下丹田』をはじめ、天風の言葉には具体的な身体の部分がたくさん出てくる。だから、アスリートにも感覚的に受け入れやすいのでしょう」
あの世界の本塁打王・王貞治氏も天風哲学の影響を大きく受けた一人だ。
前出の広岡氏が言う。
「王の育成方法に悩んでいた故・荒川博コーチが、王を天風先生の教え子で心身統一合氣道の創始者の藤平光一先生のもとに連れて行った。
そこで、王は藤平先生から直々に心身統一法の指導を受けるようになり、やがて左足だけで立ってもびくともしなくなった。つまり、一本足打法の源流にも天風哲学があったのです」

大きな目標を掲げ、それに向かって精進し、達成していく。天風が示した「生き方の極意」は、まさに大谷が追い求める人生の理想そのものだ。