2023.03.27
# ビジネス

30歳営業マンが青ざめた…自分の都合で辞めるのを「会社都合退職」と偽る「大きなリスク」

目の前の仕事や職場環境が嫌になったとき、即、退職に踏み切れる人ばかりではないだろう。次の仕事をどうするのか、失業手当をもらうまで食いつなげるのかなど、現実的な悩みは尽きない。

前編記事では新任の課長とそりが合わず会社を辞めたいと思っているA園さん(30歳、仮名=以下同)の事例を紹介。自分の退職を「会社都合退職」にできないか会社にかけあったのだが…。

本稿ではあらためて、自己都合退職、会社都合退職の違いから、退職事由を偽ると会社側にどんなリスクが有るのかまで、社会保険労務士の木村政美氏が解説する。

「自己都合退職」と「会社都合退職」の違い

退職とは、就業していた労働者がその職を退き労働契約を終了させることをいう。

ちなみに会社から一方的に労働契約を終了することは「解雇」といい、退職は解雇以外のものを指す。

退職の事由は大きく分けると「自己都合退職」「会社都合退職」がある。

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・自己都合退職と会社都合退職の違い
自己都合退職は、転職、結婚、転居、懲戒解雇など労働者側の理由によって雇用契約を終了することであり、会社都合退職は、リストラや退職勧奨、倒産など会社側の都合によって雇用関係を終了することである。
 
・失業手当とは
失業手当(「基本手当」、「失業保険」ともいう)は失業者が再就職するまでの期間、生活費を補填するために手当を支給することで再就職活動を促進するための制度である。失業手当を受給するためには、会社を退職した従業員がハローワークで所定の手続きをする必要がある。

・失業手当の給付条件
失業手当を受給するには、再就職する意思があることはもとより、原則離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上あることが必要である。(ただし例外あり)

A園さんは甲社の正社員として入社後から雇用保険に加入しているので、この条件はクリアしている。

参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

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