現在、幼児から高校生までを対象としたオンライン英語教室やハーバード生を講師陣にしたサマースクールを主宰する廣津留真理さん。一人娘のすみれさんは、小学校から高校まで公立校に通い、ハーバード大学に現役合格&首席卒業。大分という地方都市に生まれ育ち、海外留学したこともなければ、塾に通ったことも模試さえ受けたこともなく、ハーバードの面接も自宅の部屋からオンライン受験。12年間でかかった教育費は、たったの50万円だったという。帰国したすみれさんは、バイオリニスト、作曲家、著述家、大学講師、TV番組のコメンテーターなど多方面で才能を発揮し、世界各地を飛び回りながら活躍中だ。
日本で子育てしながら、世界で通用する英語を身につけさせるには? 家庭学習だけで娘に世界トップの大学に入る学力を身につけさせ、その後も現役ハーバード生たちと仕事をする廣津留さんに、その秘訣について教えてもらう。前編「塾なしハーバードの母が伝えたい「英語は単語が9割」の理由」では「ペラペラを目指さない」「英語は単語が9割」ということを伺った。ではどのように勉強したらいいのだろうか。後編で詳しくそのノウハウを伺っていく。

ディリーゴ英語教室代表/一般社団法人Summer in JAPAN(SIJ)代表理事/株式会社ディリーゴ代表取締役。早稲田大学卒業。一人娘のすみれさんは、大分の公立高校から塾なし留学経験なしでハーバード大学に現役合格&首席卒業。娘への家庭内での学習指導経験を踏まえて編み出した独自の「ひろつるメソッド」を確立。英語教室やセミナーにて、これまで1万人以上を指導。現役ハーバード生が講師陣のサマースクールSummer in JAPANは、2014年、経済産業省の「キャリア教育アワード奨励賞」受賞。「羽鳥慎一モーニングショー」「徹子の部屋」(テレビ朝日系)、「セブンルール」(カンテレ・フジテレビ系)などメディア出演多数。著書に、英語経験ゼロの子も1冊で長文読解までできるようになるドリル『英語ぐんぐんニャードリル ひろつるメソッド 最短最速! ゼロから一気に中2終了』 、娘と実践した家庭学習メソッドを公開した『成功する家庭教育 最強の教科書』(講談社)ほか。https://dirigo-edu.com
「大切」を“important”以外の単語で表現できる?
たとえば、日本の中学校では「大切な」を「important」と習います。けれど本来は、中学卒業時点で、「大切な」を別の表現、「crucial」「significant 」「essencial 」などと、言えて、書けていたいのです。
これは何もハーバードに入るための話ではありません。ヒトとモノとお金が国という枠組みを超えて自由に行き交い、数々の職業がAIに取って替わられていく社会で、これからの子どもたちが価値のある創造をし、生き抜いていくために必須の条件なのです。
そのために必要な英単語は、どれくらいでしょうか?
答えは、最低でも8000~1万語。できれば1万5000語ほどの英単語を覚える必要があると言われています。
現在、日本の学習指導要領で、高校卒業レベルまでに覚えるべきとされている英単語は、4000~5000語です。これではまだ英検2級レベル。このはるかに不足している単語数は、家庭学習など自力でカバーするしかありません。
「そんな大量の暗記なんて子どもにできるはずがない」と思うかもしれません。けれど、「子どもにできるはずない」というのは大人の勝手な思い込み。子どもには、大人とは違うとてつもない吸収力があります。まずはそれを信じてみましょう。
