制作が発表された段階から注目を集めている『連続ドラマW フェンス』。他のメディアが躊躇するような題材に挑戦してきたWOWOWと、脚本家として数々の社会派エンターテインメントを手掛けてきた野木亜紀子がタッグを組んだ作品だ。物語の舞台は沖縄で、米兵による性的暴行事件を真っ向から描く。真相を追うバディ役を任されたのは、松岡茉優と本作で俳優デビューを果たす宮本エリアナ。ふたりは、物語のどんな部分で共鳴することができたのか? WOWOWで絶賛放送・配信中の本作。今回、率直な心境を聞いた。

撮影/岡田健
 

野木作品に参加できることがとても嬉しい

——「脚本家として数々の社会派エンターテインメント作品を手掛けてきた野木亜紀子が、沖縄を舞台に女性バディが性暴力事件の真相を追う様子を描く」。
今回の『連続ドラマW フェンス』は簡単な概要を見るだけで骨太な作品であることが分かりますが、出演が決まった段階でどんな気持ちになりましたか?

松岡「もともと一人の視聴者として野木亜紀子さんが手掛けてこられた作品を楽しく、時には身につまされながら拝見していたので、ご一緒できることがとても嬉しかったです。女性バディが主役の物語ということでどんな作品になるのだろうと、緊張感はありつつも台本が楽しみでした」

宮本「私としては、これまで日本にはブラックミックスの俳優がメインキャストを務めた作品がほとんどなかったと思うので、まずは率直に『ついに日本もここまできたか』と思いました(笑)。もちろん野木さんが描かれるドラマに参加できることも光栄でしたし、企画書を読んでみたらWOWOWらしい挑戦的で踏み込んだ内容で、『すごい!』と軽く叫んじゃったくらいです」

——実際に台本を受け取って、“野木さんらしさ”を感じた部分とは?

松岡「掛け合いのテンポやセリフの言い回しに魅入ってしまって、台本を読んでいてどんどん引き込まれました。さりげない会話でも後から見ると、重要なセリフが入っていたり。でもそれは、俳優がどう演じるかによって、意味合いが変わってしまうこともあるということなので、様々な角度から台本を読まなくてはと、責任を感じました」

宮本「私はシンプルに自分のセリフが多いことにびっくりしました(笑)」

松岡「会話劇として、掛け合いも多かったし、長いセリフもありましたね」

——宮本さんはドラマ初出演ながら松岡さんと一緒にダブル主演を務めることになり、大きなプレッシャーを感じたのではないかと思います。

宮本「そうですね。セリフが多いことは覚悟していたのですが、一般的なドラマよりも会話がふんだんに詰め込まれている印象でした。だからハードルが高く感じましたが、事前に野木さんが作られたキャラクターの設定書をいただきまして。例えば私が演じる大嶺桜は大坂なおみ選手のファンなんですよ」

松岡「それは知らなかった!」

宮本「台本には書かれていない細かな設定がたくさん書いてあったので、そのおかげでセリフに感情を乗せやすかったですし、スムーズに役づくりを進めることができましたね」

©︎「連続ドラマW フェンス」