2023.03.25
プーチンが怒り狂った…今から約30年前、アメリカがロシアについた「ヤバすぎる嘘」が落とした影
何度でも繰り返すが、先に手を出したのはロシアである。
一刻も早くロシアは無益な戦闘を停止すべきである。
だが、そもそもなぜ、ロシアは、ここまでウクライナにこだわっているのだろう。
戦後の世界史について、とくにアメリカや欧州と、ロシアとの関係について少し前に起こった事例をたどっていくと、アメリカや欧州が「善」で、ロシアが「悪」という簡単な構図では理解することの困難なリアルすぎる現実がある。
なぜか。
ソヴィエト連邦が解体に向かっていたころ、欧米諸国はロシアを結果的に騙す形でロシアの影響力を削ぐことに成功しているからである。
新刊「地政学と冷戦で読み解く戦後世界史」から、一部を抜粋しながら検証していくことにする。
(注意 本稿では、少しでもわかりやすくするために当時はソ連であっても「ロシア」と表記している場合があります)
【前編】非道なプーチン大統領は、なぜロシア国内で「圧倒的な人気」を誇るのか…「たったひとつのシンプルな理由」
ロシアを結果的に騙したアメリカの巧言
ロシア(当時はソ連)は冷戦でアメリカに負け始めていた。
もともと、ロシアはポーランドやルーマニアといった東欧諸国を自らの陣営につけることで、地政学的に安定をはかっていた。つまり、東欧諸国を間に挟む形で、ロシアと欧州はそれなりにバランスを保っていた。
1990年代に入る直前、そのバランスが崩れ始める。