2023.03.30
# テレビ

テレ朝が『タモリ倶楽部』を終了させるはずがない?…理由を考えると「さすがタモリ」と思えてくるワケ

『タモリ倶楽部』が31日で終了

「まいどお馴染み流浪の番組『タモリ倶楽部』でございます」という挨拶とともに、毎回“ニッチな趣味”などをフォーカスし、マニアックなネタを出演者が一緒になって楽しんできた、テレビ朝日系の長寿深夜バラエティ『タモリ倶楽部』。

そんな同番組が3月31日(正確には4月1日の深夜0時台)の放送をもって終了するとのことで、ネット上では悲しみに暮れる声が相次いでいる。テレビ朝日が語った放送終了の理由としては、「番組としての役割は十分に果たしたということで、総合的に判断し3月末をもって終了することにいたしました」というものだった。

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そこで今回は『タモリ倶楽部』がテレビ業界に与えた影響、そしてなぜ終わってしまうのかなどについて、元テレビ朝日プロデューサーで、江戸川大学非常勤講師も勤める鎮目博道氏に聞いた(以下、「」内は鎮目氏のコメント)。

 

“わかりやすさを捨てた番組姿勢”

改めて『タモリ倶楽部』とはどんな番組なのか。

「『タモリ倶楽部』は1982年10月に放送が開始された放送40年を超える長寿バラエティ番組です。グイグイと笑いを取りにいく空気はなく、むしろ屋台骨のタモリさんを中心に、のんびりと知的好奇心を探求するような空気が特徴でしたね」

鎮目氏いわく、そんな『タモリ倶楽部』の人気の高さはテレビ業界内でも相当なものだったようだ。

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「テレ朝ディレクターの間では“伝説の番組”として知られていて、みんな『一度はタモリ倶楽部みたいな番組を作ってみたい』と口々に話していました。その一番の理由は、“誰かに向けた番組”ではなく“作りたいものを作っている番組”だからではないでしょうか。

ここ最近のテレビ番組は、『主婦』、『若者』などのターゲットを先に決め、そこに狙いを定めた番組作りが顕著ですが、『タモリ倶楽部』はそれとは違って作りたいものを楽しんで作っている。その自由な雰囲気が多くのディレクターたちに憧れを抱かせているのでしょう。

例として、よく番組内では、楽曲や効果音をコラージュしてダジャレになっているBGMを流しているのですが、こうした視聴者をある意味度外視したこだわり方は、わかりやすさを重視している今のテレビ番組制作ではまずできないですね」

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