2023.03.31
# 不動産 # 年金

自宅を売って2500万円で「シニア向け分譲マンション」を購入し、大後悔した60代夫婦の悲劇

快適なセカンドライフを過ごす場所として、「シニア向け分譲マンション」への注目が高まっています。しかし場合によっては、高額な管理費・修繕積立金や施設利用料、さらには濃密な人間関係がトラブルを招き、老後の生活の質を著しく下げてしまう事態にもなりかねません。筆者が実際に取材した実例をもとに、その実態を紹介します。

パート先の人間関係が原因でうつ病に…

足立さんご夫婦は、東京都江戸川区の築35年の一軒家に住む仲のいい夫婦です。

夫の秀典さん(現在71歳・仮名、以下同)は、大手電機メーカーに新卒から勤務し、60歳以降は再雇用制度で、65歳まで月給25万で勤めてきました。大きな病気もせずまだまだ元気だったため本当はもっと働きたかったのですが、規定で延長限度が65歳だったので仕方なく退職。65歳からは年金を月15万5000円受け取りながらのんびり暮らしていました。

妻の紀子さん(69歳)はパートで月に約7万~8万円の収入があったものの、基本は専業主婦で、65歳からの年金受給額は約6万5000円です。

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退職時の足立さんご夫婦の資産は、退職金を含め貯蓄が3500万円、持ち家の時価は2500万円。年金も2人分を合わせると月22万円ですから、プチ富裕層に属していると言える金額です。「贅沢をしなければ老後はひとまず安心」と思っていましたが、ある出来事をきっかけに2人の人生が大きく変わってしまいました。

それは5年ほど前、秀典さんが66歳、紀子さんが64歳の時に、南関東にあるシニア向け分譲マンションに住み替えたことです。

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