Dr.キャピタルさんがギター一本で「せつない」を解説するシリーズ・第一弾動画が本日公開!
3月23日発売のFRaU 5月号は、日本発の本当に美しいもの=「JAXURY」(ジャクシュアリー)としてファッションや宿、飲食などといった「もの」だけにとどまらず、市川染五郎さんや明日海りおさんなどの「ひと」、さらにヤマザキマリさんや隈研吾さんが語る日本の「風呂文化」なども特集。JAXURYサイトにはどちらも動画がアップされている。中でもユニークなのが日本の大衆音楽を「せつない」という視点から切り取った記事だ。
純文学作家の島田雅彦さんが、主に歌詞の観点から「せつない」を解説する一方、メロディやコード進行の観点で説明してくれたのが、ミュージシャンで音楽博士でもあるアメリカ人のDr.キャピタルさんだ。
英語だと僕はもっと面白い、絶対に人を爆笑させる自信があります(笑)
記事の中では、キャピタルさんが、坂本九「上を向いて歩こう」、荒井由美「ひこうき雲」、スピッツ「ロビンソン」、藤井風「何なんw」の4曲をピックアップし、それぞれの「せつないポイント」を、巧みに関西弁を操りながら解説。そこに掲載されている写真は、夕暮れどきに、講談社のビル最上階で撮ったものだ。撮影とインタビューが行われた後、取材クルーはキャピタルさんと地下のスタジオに移動。今回取り上げた4曲を、ギターを弾きながら解説してもらうことになっていた。

取材は、キャピタルさんの東京公演の中日に敢行された。取材前日のライブに参戦したライターは、キャピタルさんがMCで「東京土産としての東京ばな奈の価値について」を語っていたのを聞き、撮影当日に、池袋駅で東京ばな奈を購入。社内の自動販売機でいろんな種類の飲み物を揃えておくと、キャピタルさんは速攻で加賀棒茶を手に取り「これ、大好きです! 嬉しいです!」と言って、突如、お茶談義まで始まった。そのときに聞くことができた「お茶愛」は、本誌のお茶ページにも掲載されている。何を語らせても、博識すぎるキャピタルさんは、「英語だと僕はもっと面白いんです。絶対に人を爆笑させる自信があります。日本語では僕の面白さを100%伝えられなくて残念です」と大真面目に話したりする姿もなんともお茶目だ。
いざ収録に入ると、ほとんどが本番1発OK。その滑らかな語り口と、最後に通しで歌われるときの歌声とギターの美しい調べに、誰もが聞き惚れた。そして、実際にキャピタル弾が、「ここが素晴らしいポイント!」と指摘したフレーズで、不意にウルッとなる。
「カット!」の声がかかると、スタッフから自然に拍手が湧き上がった。第一回目の公開となる「上を向いて歩こう」は、各コードの説明を盛り込んだため、他の動画よりも長めとなった、まさに「せつない」の入門編だ。第2弾、第3弾が公開されるたびに、「またここに帰ってくる」という人もいるだろう。
1月のライブツアーを一緒に回っていたドラマーのカイル・クレーンさんは、この日一人で東京観光をしていたという。長時間にわたる取材を終え、キャピタルさんは、「カイルにも必ず渡します」と言って、4個入りの東京ばな奈を大事そうに持ち帰った。