2023.04.06

太平洋戦争の開戦前夜、じつは「御前会議の中身」は「アメリカに筒抜けだった」…驚きの事実

情報が流出していた

岸田文雄政権は、日本の安全保障政策を大きく転換させました。

今後、日本を取り巻く外交・防衛環境が変化していくことも予想され、岸田政権の方針転換に賛成するにせよ反対するにせよ、戦争や安全保障について知識をたくわえておくべきタイミングがきているといえそうです。

戦争とは、どのように始まってしまうものなのか、それを止めようとする努力はどのようにしておこなわれるのか、止めようとする努力はいかにしてムダになってしまうのか——こうした疑問について考えるうえで、太平洋戦争の開戦プロセスは大いに参考になります。

ところで、「開戦プロセス」といえば、太平洋戦争の開戦前夜、天皇の前で意思の統一をはかる「御前会議」が何度かおこなわれましたが、この会議の内容がアメリカ側に流出していたことをご存じでしょうか? この流出の経緯は、戦争がいかに始まるかについて考えるうえでのヒントを与えてくれます。

かつて防衛大学校長をつとめた政治学者・五百旗頭真氏は、著書『日米戦争と戦後日本』のなかで、この経緯について解説しています。

1941年9月6日。

この日にひらかれた御前会議では、日米の外交交渉が実らなかった場合、10月下旬を目処に開戦準備をおこなうという閣議決定が昭和天皇に伝えられます。昭和天皇はこれにたいして批判的な言動をとり、明治天皇が日露戦争前に平和を望んで嘆じた歌を読み上げました。「四方(よも)の海 みなはらからと思う世に など波風のたちさわぐらむ」。

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