2023.04.06

アメリカが日本を「戦争に誘い込んだ」…そう考える「ローズベルトの陰謀論」が見逃していること

「ローズベルトの陰謀論」とはなにか?

岸田文雄政権は、日本の安全保障政策を大きく転換させました。

今後、日本を取り巻く外交・防衛環境が変化していくことも予想され、岸田政権の方針転換に賛成するにせよ反対するにせよ、戦争や安全保障について知識をたくわえておくべきタイミングがきているといえそうです。

たとえば、第二次世界大戦、太平洋戦争にかんする「あやまった知識」「不適切な評価」について学んでおくことにも意味があるかもしれません。これらは、「わたしたちはどういうときにあやまったものの見方をしてしまうのか」という気づきを与えてくれるからです。

ここで注目したいのは、太平洋戦争開戦に関連してしばしば取り沙汰される「ローズベルトの陰謀論」です。

かつて防衛大学校長をつとめた政治学者・五百旗頭真氏は、著書『日米戦争と戦後日本』のなかで、この議論の問題点について解説しています。

まず、そもそも「ローズベルトの陰謀論」とはなにか?

同書は、〈歴史好きの人ならご存じだろうが、「ローズベルトの陰謀論」というものがある。つまり、日本がアメリカに戦争を仕掛けたというが、実はアメリカがやらせたのではないか、という議論である。日本を追い詰めておいて、わざと背中を見せ、突き刺すように仕向けた。太平洋戦争とは、ヨーロッパ戦線でドイツとの戦争に入りたかったローズベルト(Franklin D. Roosevelt)大統領が、日本を挑発し、「裏口から」第二次世界大戦に入ろうとした陰謀であるという〉議論だといいます。

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