2023.04.14

東大の「トップ」がフランス留学中、思わず「驚愕してしまった」出来事

そんな「神対応」があるのか…

小切手を受け取って驚いた!

4月、新年度がはじまり、読者のみなさんのなかには「留学生」を身近に迎え入れるという方もいるかもしれません。

国際的なプレゼンスが下落しつつある日本にあって、日本の文化や言語、あるいは日本語をもちいておこなわれる学問に関心をもってくれる留学生という存在は、いまやそうとうに貴重であるといえそうです。

日本社会が、留学生をさまざまな意味で「あたたかく」迎え入れることができるかどうかは、これまでに比べて重要になっているといえます。

それでは、日本社会はどのような心がまえで留学生を迎えればいいのか? フランス文学や映画の研究者である蓮實重彥氏が、「留学生国際シンポジウム」というシンポジウムの挨拶で述べたことが参考になりそうです。

この挨拶は、蓮實氏の講演や寄稿を編んだ『齟齬の誘惑』という書籍で読むことができます。

蓮實氏は1960年代に「ある国」(フランスのこと)に留学し、論文を書き上げましたが、それをタイピストに清書してもらい印刷するのに十分な金銭を持ち合わせていませんでした。そこで大学の留学生係の女性係官に掛け合って、印刷費を援助してもらう手筈をととのえました。ところが……(読みやすさのため、改行の位置を編集しています)。

〈そして、一週間後にそのオフィスに出かけてみると、わたくしが請求したよりも一けた多い小切手がわたくしの手元に渡されたわけです。わたくしはびっくりしてその女性に尋ねました。「どうしてこれほどの高額の小切手をちょうだいすることができるのでしょうか」〉

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