1978年のブランド創業時から、ビューティとサステナビリティを掲げてきたAVEDA(アヴェダ)。2023年1月には、創業以来40年以上にわたる地球環境保全の取り組みが評価され、B Corp認証を取得したことを発表した。美容業界における、サステナビリティの先駆者的存在であるAVEDAの「現在地」をFRaU編集長の関が取材した。

創業以来やってきたことの積み重ねが結実したB Corp認証
B Corp認証とはアメリカの非営利団体のB Labが行なっている国際的な認証制度のことで、2007年にスタートした。自社や顧客、株主、従業員に対する利益を追求するだけではなく、社会や環境に配慮した事業を行っていること、説明責任や透明性を保有していることなど、B Labが定めた厳しい基準をクリアした企業にのみ与えられる。
AVEDAのGlobal Marketingの副社長、David Hutchinson氏はB Corp認証をこのように語っている。
「お客様とのコミュニティからサプライチェーンに至るまで、ビジネスを行うに当たっての全ての用件に関して査定が行われますので、約2年間およそ900時間をかけて査定のための準備をしました。膨大な手間ややりとりのために多くの時間を割かねばならなかったとしても、B Corpの認証を得るということは、AVEDAにとって非常に重要なことでした。
なぜなら、すでに私たちがやってきた地球や社会に対する取り組みを、第三者の独立した団体の検証によって、正式に認定されるということが大切だと考えたからです。ブランド自ら『AVEDAはこういうことをしています』とアピールするのではなく、私たちが社会に対して責任を果たしながらビジネスをしていることが公に認められる一つのきっかけとなりました」
B Corp認証取得へのステップが、まさに今までブランドとして積み重ねてきたことの確認作業にもなったと語るDavid氏。ただこの認証は始まりに過ぎない、ともいう。

「確かにこの認定を得るのは素晴らしいことですが、あくまでもスターティングポイント。3年ごとに再認定というものがありますので、常に私たちのあり方、仕事の仕方が3年ごとに確認される、というプロセスを重ねていくことになります。また、私たちがこのB Corpに参加しているということによって、世界中のお客さまがB Corpとはどういうものなのか、認定を受けている私達の働き方や企業理念とはどんなものなのかを知り、学んでいただく機会にもなるというふうに捉えています」
現在B Corp認証を受けている企業は、Patagoniaやダノンなど89の国と地域で約6600社ほど。化粧品会社はまだそれほど多くはない。
「私たちとしては、より多くの化粧品会社がこの認定を取得することを望んでいます。それが業界全体の利益につながると考えているからです。全世界の消費者がこの認定の存在を知り、この認定を受けた企業が、人と地球のことに心を砕いて仕事をしていると理解していただく。
さらに、認定を受けた企業同士のコミュニティが育ち、世界全体で取り組むべき社会課題に対し、連帯して解決に導いていけたらとも思っています。B Corpを取得した企業の一員としてのあり方を、これから模索しながら積み重ねていきたいと考えています」