パティシエ・コンクールの最高峰「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー 2023」で、16年ぶりに優勝した日本代表チーム。世界を驚かせた“秘策”は、徳島産の食材の使用でした。
「気候変動」のテーマに沿って
“風”を感じさせるデザートを
「私は木頭(きとう)ゆずに魅了され、徳島で仕事をするようになりました。この素晴らしいゆずをつかえば、きっと世界の人びとにインパクトを与えられる。その考えは正解でした」

満面の笑みで大会を振り返るのは、徳島市の洋菓子店〈PRISM〉の柴田勇作さんだ。彼は、東京〈équilibre〉の高橋萌さん、〈アンリ・シャルパンティエ〉の鈴鹿成年さんとともに日本代表チームの選手として、1月20~21日にフランス・リヨンで開かれた「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」に出場、見事に金メダルに輝いた。1989年以来、2年に一度開かれてきた洋菓子の“国別対抗戦”で、強豪のフランス(2位)を抑えての優勝は快挙だ。

10時間をかけ、大会委員長のピエール・エルメ氏ら審査員と観客の目の前で、飴細工、チョコレート細工、氷彫刻のアート3点と、4種類の試食課題(シェア・デザート、フローズン・デザート、フローズン・ロリポップ、レストラン・デザート)をつくり、味と見た目を競う。選手3名+団長(駒居崇宏さん)のチームワークまで審査されるのが、この大会の特徴でもある。

今大会のテーマ「気候変動」に沿って、日本代表チームは「再生可能エネルギー」をテーマに、“風”を感じさせる作品をつくった。

柴田さんが担当したデザートのひとつがフローズン・ロリポップ。ゆずゼリー、ゆずのパルフェ、ゆずクリームをふんだんにつかっている。

「日本の食材で勝負して金メダルという結果を出せたこと、徳島のゆず農家のみなさんも喜んでくれると思います。大会後、フランスの新聞にも『KITO』の名前が掲載されていました。これからも、徳島にいてもこういうことができるのだと内外に示しながら、“お菓子づくりで地方創生”を目指していこうと考えています」(柴田さん)
●情報は、FRaU2023年4月号発売時点のものです。
Photo:White Mirror(Japan team) , Julien Bouvier Studio(works) Text:FRaU
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