学歴バブルはいつ崩壊する!? ホワイトカラー無用の時代がやってくるぞ

博士バブルはすでに崩壊した

学費ローン問題の根本原因

昨年9月7日公開「バイデンよ、学費ローンをチャラにするなら庶民の電気代を何とかしろ」2ページ目「学費ローンの『徳政令』で票を買っている場合か?」において、最大でも米国人口の13%程度しか恩恵を受けないこのような政策の問題点を指摘した。

だが、よく考えてみれば、「なぜ彼らは学費ローンの支払いに窮しているのか?」という問題に突き当たる。

学費ローンとは要するに「出世払い」だ。したがって、本人の努力が足りずに良い仕事に就けず、学費を返済するだけの十分な報酬を得ることができないと考えることもできる。

だが、バイデン民主党政権が政策の目玉とする程多くの人々がローンの支払いに窮しているのだとしたら、「出世払い」という学費ローンのビジネスモデルそのものが劣化していると考えるべきであろう。

例えば、昔の日本では4年制の大学を卒業した人々は「学士様」と呼ばれて、エリート扱いされていた。つまり、戦後まもなくの大卒者は概ね企業の「幹部候補生」であったのだ。1960年くらいまでの大学進学率はせいぜい10%程度だとされるから、希少価値があったといえる。

ところが、2022年度の大学への進学率は前年度から1.7ポイント上昇して56.6%となり、過去最高を更新した(文科省、令和4年度学校基本調査)。

 

大学に進学する人々が過半を越えれば、「希少価値」はもう無いと言える。その点から考えれば、現在の「大学院卒」が戦後間もない頃の「学士様」に相当するのかもしれない。

だが、その「大学院卒」でさえ、かつての「学士様」ほどの価値は無いようである。

一時期MBA(経営学修士)が、エリートとしてもてはやされた。だが、以前は名門大学を中心とした限られた大学にしか無かった「MBAコース」も現在は多くの大学に広がっている。そして、オンライン・通信制の「MBAコース」も多い。多くの人にMBAを取得するチャンスが与えられたが、その分希少価値も下がっているのである。

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