ライターの稲田豊史さんはポテトチップス好きが高じて、カルビーや湖池屋などの大手メーカーをはじめとする関係各所に取材し、日本のポテトチップスの歴史を紐解く新著『ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生』(朝日新書)を上梓した。そんな稲田さんに、ポテトチップスのフレーバー(味)の基本であり、万人に愛される「塩味」に絞って、「ベスト5」を選んでもらった。

※以下、稲田さんによる寄稿(撮影は編集部)。

 

「塩」は基本にして究極のフレーバー

ポテトチップスの元祖は塩味であり、ポテトチップスのもっとも基本的なフレーバーは現在も変わらず塩味だ。実際、国内のポテトチップスシェアトップであるカルビーの2021度国内売上ベスト10からポテトチップスだけを抽出すると、1位は「ポテトチップス うすしお味」、2位が「堅あげポテト うすしお味」、3位にようやく「ポテトチップス コンソメパンチ」が入ってくる。

天ぷらも肉も、通は塩で食べる。素材の味がよくわかり、素材の味をもっとも引き立てるからだ。その理屈でいけば、素材としてのジャガイモを存分に味わいたいなら、ポテトチップスも塩で食べるべきではないだろうか。筆者がもっとも好きなポテトチップスのフレーバーも、断然、塩味だ。

筆者はポテトチップス好きを自負しているが、新商品を次々と食レポするポテトチップスマニアの皆さんのように、網羅的に多種類を食べる習慣がない。新製品は塩味を中心にしかチェックしないし、気に入った塩味の商品を白米のように常食する。ゆえにかなり偏ったランキングと前置きした上で、僭越ながら以下、超個人的・塩味ポテチベスト5を発表させていただく(期間限定販売商品、輸入商品を除く)。