要介護認定=認知症、ではない
認知症とは、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。
初期は、加齢による単なる物忘れなどに見えることが多いのですが、仕事や家事など普段やってきたことでミスが増える、お金の勘定ができなくなる、通い慣れた道で迷う、話が通じなくなる、憂うつ・不安になる、気力がなくなる、現実には見えないものが見える、妄想があるなどの症状が現れ、意思確認ができなくなるようになります。
一方で、要介護とは生活するために介護が必要になるレベルの認定であり、認知症の進行度合と必ずしも一致するわけではありません。下記に要介護の要件を上げてみましょう。

[要介護1] 立ち上がりや歩行に不安定さがみられたり、排泄や入浴などに部分的な介助が必要になったりなど、見守りや手助けなどの社会的支援が必要な状態。「道に迷うことがある」「薬を飲み忘れる」など認知機能の低下による日常生活への影響がみられる場合があります。
[要介護2] 軽度の介護が必要な状態。立ち上がりや歩行などが自力では難しいケースが多く、日常生活に一部または全面的な介助が必要だが、「浴槽への移動時の介助や背中を洗ってもらうなどの手助けがあれば入浴できる」「衣類は自分で着られる」など、自分でできることもたくさんあります。
[要介護3] 中等度の介護が必要な状態。立ち上がりや歩行などが自力ではできないケースが多く、起床から就寝まで日常生活に全面的な介助が必要。状態や環境によっては在宅での生活が難しいため、特別養護老人ホームへの入居が可能となります。
[要介護4] 重度の介護が必要な状態です。立ち上がりや立位の保持が、自力では難しいケースが多くみられます。日常生活の上で能力の低下が見られ、排泄や入浴、衣服の着脱など多くの場面で介助が必要です。
[要介護5] 最重度の介護が必要な状態です。日常生活の全般に介助が必要となり、意思の伝達が困難なケースも多くあります。 特に、食事に関しては全介助となるケースが増えてきます。