2023.05.04
# ライフ

「この地獄が永遠に続くのかと…」68歳生涯独身男性が移住先の地方で直面した「ヤバすぎるご近所づきあい」の壁

求めていた「ご近所付き合い」が煩わしくて

少子化や核家族化により、65歳以上の高齢者のひとり暮らしが増加している。6年前に都内から西日本のある地方に移住した宇梶慎太郎さん(仮名・68歳)。東京・港区で生まれ育った生粋の江戸っ子で、結婚歴はなく、大学を卒業後、電気関係の会社への就職をきっかけに実家を出て以来、ずっとひとり暮らしだった。

前編『生涯独身・68歳江戸っ子男性が寂しさゆえに「関西に家を買って移住」もわずか半年で絶望するまで』では渋谷・新宿・池袋と賃貸マンションを転々としていた慎太郎さんが地方移住を思い立ち、退職金で中古の戸建てを買って新生活をスタートさせるまでを伝えた。

毎日賑やかに過ごしていた慎太郎さんだったが、「楽しいと思えたのは移住して半年くらいまで」と明かすのだ。なぜか。

PHOTO:iStock

「最初はなんやかんや面倒を見てもらえるのが嬉しかったんですけど、一通りのことがこなせるようになり、自分の生活パターンが出来てくると、今まで有難いと思っていたことがどんどん煩わしくなったんです。

例えば、家庭菜園についても、タネの蒔き方から、水のやり方、肥料の与え方などに口を出したくなるのはわかるんですけど、趣味の範囲でやってて、作物の色や形、収穫量などにこだわらない私にとってはお節介でしかないんですよ。

食材や手料理などもよくおすそわけしてくれたんですけど、食が細く、偏食気味の私は困惑するばかり。どんなに固辞しても『遠慮しないでいいから!』と受け取らせるのは、押しつけがましさしか感じません。かと言って無駄にするのも忍びないので、アク抜きとか下ごしらえなんかもわからないまま、適当に調理したり、無理やりノドに流し込むように食べるしかなく、ホントに参りました」

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