R-1グランプリ決勝で「バトリオンモンスターズカード」としてさまざまなモンスターを登場させ、会場を笑いに包んだ田津原理音さんとのコラボ企画「気候変動モンスターを知る授業」。もともとイラストが得意な田津原さんが、地球温暖化のことを学んでそれを絵に表現したらどうなるのか……。
そこで田津原さんが、東京大学/国立環境研究所・江守正多先生から「気候変動」について授業を受けることに。前回の記事では、そもそも地球温暖化とはなんなのか、ノーベル賞を受賞した真鍋淑郎博士の研究によってわかってきた「温暖化の要因」などについて学んだ田津原さん。
第2回目の今回は「CO2の排出量」がどれだけ増えてきているのか、今がどれだけギリギリの状況にいるのかについて、田津原さんのイラストとともにお届けします。
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1)R-1グランプリ田津原理音が「ノーベル物理学賞・真鍋博士の本当のすごさ」を知った日

田津原理音(たづはら・りおん)
1993年5月25日奈良県生まれ。吉本興業所属。NSC35期。芸歴10年。2019年度「第40回ABCお笑いグランプリ」決勝進出。2021年度「ネモフィラ祭り2021Instagramフォトコンテスト」グランプリ受賞。R-1グランプリ2023優勝。趣味は写真撮影(デジタル一眼、フィルムカメラ)。あるあるネタを詰め込んだインスタグラム(@rion_tadzuhara)の投稿も「じわじわくる……」と話題に。
江守正多(えもり・せいた)
1970年神奈川県生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。1997年より国立環境研究所に勤務。専門は地球温暖化の将来予測とリスク論。IPCC第5次、第6次評価報告書の主執筆者のひとりでもある。
人間の活動が止まったコロナ禍。CO2は激減した?
江守正多(以下、江守) 人間が大気に出している温室効果ガスの主な成分であるCO2ですが、毎年出す量が過去60年間でどのくらい増えたかと言いますと、ざっと4倍になってるんです。人口が増えて、経済が発展して工業化が進んで、昔よりCO2を出すようになった結果ですね。

このイラストのように、私たちが使っているコンセントの向こう側には、石炭や天然ガスを燃やして発電し、発電所からCO2をたくさん出しているという現実があります。あとはガソリンで走る自動車からもCO2が出ていますし、料理でガスを使用する際にもCO2が出ます。
田津原理音(以下、田津原) 僕らの生活と切り離せないわけですね。
江守 そうなんです。そしてこのグラフを見ると、2020年にちょっとだけ減っている。これはコロナの影響ですね。多くの国がロックダウンをして経済活動が止まり、飛行機も飛ばなくなった。
田津原 わあ、そうや! CO2も、ものすごく減ったんとちゃいますか?
江守 と思いますよね? それがたったの5%だったんです。あれだけどこにも行かなかったし何もしなかった気がするのに、ちょっとしか減ってないんですね。
田津原 うわー、厳しいな!