2023.05.13
数学者も頭をひねる「不思議すぎる図形」…「シェルピンスキーの三角形」はここがスゴかった…!
「複雑系」。
しばしば耳にするけれど、その実体がなんなのかよくわからない……という方は多いのではないでしょうか。
近代科学のパラダイムにさまざまな側面から挑戦をしかけた「複雑系」の議論は、いまこの瞬間も世界の謎を解くための格闘をしています。
小説家の金重明氏が魅力的な文体で執筆した『「複雑系」入門 カオス、フラクタルから生命の謎まで』は、複雑系のポイントをわかりやすく解説してくれています。
ここでは、同書から、不思議に満ちた図形「シェルピンスキーの三角形」について解説した部分を抜粋してお送りします。
奇妙な三角形
三角形を描く。
これをS0としよう(図3‐12[外部配信でご覧の方は、現代ビジネス本体サイトで図をご覧ください])。

各辺の中点を結ぶと、もとの三角形と相似な4つの三角形があらわれる。相似比は2対1だ。このとき、中央の三角形を取り除く(図3‐13)。

これがS1だ。
残された3つの三角形について同じ操作を実行する。
するとS2が登場する(図3-14)。

この作業をどんどん続けていくのだが、すぐに三角形が線の幅よりも小さくなってしまい、描くことができなくなる。どんな様子なのか雰囲気を知っていただくために、S9を掲載しておく(図3‐15)。
