まず収入は前述の通り、合計で約1021万6000円です。これらは過去5年間にわたって、毎年約204万3200円ずつの年金収入があったという形で処理されます。一方で支出については、1年あたりの追加所得税が18万8640円、5年分で94万3200円が課されました。そのうえ、5年分の延滞税が合計で7万円ほど課税されたのです。
近藤さんは個人事業主で事業所得があったため、所得税の税率も20%と高くなってしまいました。その結果、修正申告で支払った追加所得税も延滞税も高めになり、合計で約100万円もの支払いになったのです。
「せっかく年金をさかのぼって受給したにもかかわらず、そのうちの1割を税金で持っていかれました…。仕方ないので、定期預金を1つ解約して支払いに充てるしかありませんでした」

しかし恐ろしいことに、さらなる支払いが近藤さんを襲います。所得税の計算を元にして、今度は住民税が再計算されて、翌年に追加分の支払いを求められました。
追加分は1年あたり9万4320円、5年分で47万1600円になります。そのうえ所得税と同じくこちらにも延滞税が発生し、合計で約50万円の支払いになってしまいました。治療で何かと物入りな近藤さんにとって、決して軽い負担ではありません。