「妊娠は禁忌」と突き付けられて 障害を理由に“子どもを持たない人生”を歩むことになった30代女性の苦悩
厚生労働省が発表した、「人口動態統計速報」(令和4年12月分)によれば、令和4年1月~12月の出生数は79万9,728人となり、統計開始以来、初めて80万人を下回った。
経済的不安定の増大や子育て支援が手薄なことなど、今の日本には妊娠・出産を躊躇う理由がたくさんあり、本当に力になってくれる少子化対策や子育て支援がなされることを待ちわびている人も多い。
だが、その一方で、少子化対策や子育て支援という文字を見るたびに、子どもを持たない人生を送らざるを得ない自分に引け目を感じる人もいるよう。佐藤彩さん(仮名・32)は、まさにそんな女性だ。

「正直、自分が子どもを欲しいのか欲しくないのかは、今も分かりません。私には子どもを産んでもいいという選択肢が初めからなかった。だから、子どものことを考えると、“自分は持ってはいけない存在”という言葉が先に出てきて、思考がストップしてしまいます」
そう語る彩さんは、持病によって妊娠・出産を断念。子どもが産めないことから、結婚を諦めたこともある。