「人工臓器」は「新時代」に突入しているという驚きの「事実」…人類の願い「臓器交換」も夢じゃない

人間が病気では簡単に死ななくなる時代——。

医師であり、医療未来学者の奥真也氏は、人がすでに病気では簡単に死ななくなりつつあること、そして今後ますますそうなっていくのは裏打ちのある真実であると述べ、医療の驚くべき進歩を予測しています。

本記事では、そのなかでも人工臓器についてくわしく解説します。

※本記事は奥真也『未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと』から抜粋・編集したものです。

「臓器」とは

iPS細胞で回り道をしたかもしれませんが、再生医療そのものは将来性を約束された
技術であり、20〜30年ぐらいのスパンで考えれば、おそらくは第3、第4の技術の中から実用性が高く倫理的にも問題のないものが育っていくはずです。人類が昔から願っていた、老朽化した臓器を蛍光灯のように交換することは決して夢物語ではありません。

もっとも医師の常識では、臓器とは「一つの機能を司っている身体の一部」という以上のものではなく、心臓の弁や血液、歯や髪の毛も、胃や肺などと同じく臓器にほかなりません。その意味ではメガネやカツラ、入れ歯なども大きくは臓器の交換であり、人類はかなり昔から臓器の交換を行ってきたのだ、という言い方もできます。

加齢により水晶体が白く濁って視力が低下する白内障は、症状が悪化すると人工水晶体 (眼内レンズ)に交換する手術を施します。これだって立派な臓器の交換ですし、大動脈弁を人工弁に入れ替えることも臓器移植の一形態です。