「マイナ保険証」のせいで高齢者の生活が「大崩壊」しかねない…その深刻すぎる理由
介護現場が悲鳴を上げている情報漏洩のリスクとシステムに不安あり
「任意」で作ればいいはずの「マイナンバーカード」を強制的に国民に作らせるためとしか考えられない理由で、従来の「健康保険証」を廃止してマイナンバーカードと一体の「マイナ保険証」へ誘導している政府ですが、そのマイナ保険証には様々な問題があることについてはこの連載で繰り返し伝えてきた通りです。
利用者の私たち国民にとって心配なのが情報漏洩のリスクですが、既にそれも現実のものになってしまいました。
去る5月12日には、マイナ健康証を医療機関で利用した際に、他人の診療情報が閲覧されたという事態が発生したのです。しかも、それに対する政府の説明は「入力時にミスがあって別の人の情報がひも付いたケースだと認識している。今後はそうしたことが起こらないよう、入力時に十分配慮する」と、まったくの他人事のような言い方。
しかも5月23日には、年金などの公金を受け取る口座が別人のマイナンバーと紐づいていたケースが11件もあったと発覚しました。
これでは国民が信用しないのも当然です。政府は患者の医療情報を様々な医療現場で共有できることのメリットを強調していますが、むしろ他人の医療情報と間違う危険性が発生したしか言えません。

また、医療現場での受付手続き簡略化を声高に語っていますが、それについても疑問視する医療関係者は少なくありません。
筆者が知る中には「緊急で来た患者が暗証番号を覚えていなければ、苦痛に歪んだ顔をカードリーダーに押し付けて本人確認をしなくてはいけないのか」と訴える医師がいました。実際に彼が勤めるの病院では、車椅子の患者を2人がかりで抱えて立たせ、何度もエラーを出しながら、ようやく顔認証ができたといいます。