2023.05.25
# ロシア # 戦争

プーチンを「クソバカなじいさん」と罵ったブリコジン、ついに切り捨てられたか…止まらない「トカゲの尻尾切り大国」ロシアの末路

週刊現代 プロフィール

プーチンとプリゴジンの出会い

そもそも、プーチンとプリゴジンが長きにわたり蜜月関係にあったことは周知の事実だ。共にサンクトペテルブルク出身である2人が接近したのは1996年に遡る。

ホットドッグチェーンの立ち上げで財を成したプリゴジンは、サンクトペテルブルクに高級レストラン「スターラヤ・タモージニヤ」を開店する。ここに頻繁に通っていたのが、当時同市副市長のプーチンだった。カムチャツカ産のカニサラダ、カスピ海の最高級キャビア……プーチンの注文に対し、プリゴジンは自ら給仕を買って出たという。

拓殖大学海外事情研究所特任教授の名越健郎氏はこう語る。

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「表向きはレストランなどの経営をしていたプリゴジンですが、裏では闇カジノに携わっていました。当時、プーチンはサンクトペテルブルクの闇カジノ撲滅委員長でもありました。そこでプリゴジンが『ウチのカジノだけはお目こぼしを』と取り入ったことで、親密になったと推測されます」

以降、プーチンはうまみのある学校給食の委託などでプリゴジンを重用する。その見返りとして、プリゴジンも自らの手を汚した。ワグネル以外にも、サイバー戦組織を指揮し、プーチンに有利に働くよう、ネット上の言論操作を行っている。

プーチンがプリゴジンに対して行った「トカゲの尻尾切り」、そしてプーチンとあの独裁者との共通点については、後編記事『「ブリコジンに弾薬を渡すとロシアに攻め入るのでは」「ワグネルを切り捨てるのは正気じゃない」いまプーチンと「尻尾切り大国ロシア」で起きている疑心暗鬼合戦』で引き続き解説する。

「週刊現代」2023年5月27日号より

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