セクシャルハラスメント……性被害のニュースが連日報道されている。そんな中、25年度の新卒学生の就職活動が始まった。そこで例年、問題になるのは、採用企業側のさまざまなハラスメントだ。厚生労働省は定期的に撲滅キャンペーンを行っている。運営する『あかるい職場応援団』も、今月、2ヵ月ぶりにサイトを更新。18日には新たなコンテンツとして『就活ハラスメント防止対策 企業事例集』(全52ページ)が登場。株式会社大林組、東京電力ホールディングス株式会社、三井物産株式会社など日本を代表する企業10社が、自社の取り組みについて紹介している。読むと学生の尊厳を守り、公正な採用選考、人権尊重などの対策をしているという。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「就職活動で圧倒的に学生の立場は弱い。引く手あまたの学生はほんの一握り。弱い立場の学生と不倫を狙う人は増えています。かつては男性が多かったのですが、今は女性も目立ちます」と語る。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。
今回、山村さんのところに相談にきたのは、結婚して7年になるという裕樹さん(メーカー勤務・32歳)だ。「僕の妻(40歳)が浮気しているんです」と語る。
この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
「もう限界なんです」
裕樹さんから電話があったのは、夜23時でした。「妻がまた浮気しました。もう何回目かわかりません。誰かに話を聞いてほしいのと、調べてもらって今後のことを考えたくて」と受話器の向こうで泣いています。
10分程度、お話を聞いていると、妻は遊び人の男性が好きで、真面目な裕樹さんと結婚してから浮気を繰り返しているのだと言います。翌日、仕事を早退して、私たちのカウンセリングルームに来てくださいました。
「妻は同じ会社(超大手機械メーカー)に勤務しています。妻のおかげでこの会社にいられるので、今まで黙ってきたんですが、もう限界なんです」
手で顔を覆い、デスクに突っ伏していました。

小学校から大学まで野球部だったという裕樹さんは端正な顔立ちと、すらりとした筋肉質の体をしており、とてもモテそうです。しかし、ファッションが“ド定番”で、崩すところがありません。そこから堅実な雰囲気が醸し出されており、30代の男性特有の色香のようなものはありません。とても誠実な性格であることもにじみ出ています。まずは夫婦について伺いました。
「出会いは新卒採用時でした。ウチの会社は、一次面接を現場の社員がするのですが、そこに妻がいたんです。妻は僕を一目見て気に入ってくれて、グループの4人を説得して、二次面接、三次……役員面接と向かうことができたと聞いています。妻が選んでくれなかったら“お祈りメール”がすぐにきているところでした」
