2023.05.24
「遺言書を隠したのは誰…?」父の死後まもなくおとずれた「家族の修羅場」と遺言書を破棄した「衝撃的な理由」
自筆証書遺言は多くの問題を抱えている遺言書の形式だ。今回の佐藤さん家族のように遺言書がなくなってしまうケースや無効となってしまうケースなどもある。突然おとずれた佐藤さんの死に悲しむ暇もなく、修羅場と化した佐藤さん一家。果たして遺言書はどこにあるのか…。
前編記事『「犯人はあの人かもしれない…」残したはずの遺言書がなくなった「衝撃的な理由」と繰り広げられたヤバすぎる「一家の修羅場」』に引き続き、筆者が実際に立ち会った衝撃の光景を綴る。
遺言書を破棄した犯人は…
とある日曜日、私は再度亡くなった佐藤さんの自宅を訪れる。本来の集合時間よりも1時間程度早い時間に伺い、奥さんと2人で打ち合わせをする。
そして、集合時間より少し前に次男が到着。やや遅れて長女、長男の順に到着する。
全員が席に着いたところで、私は奥さんとの打ち合わせ通り子供たちに遺言書のコピーを出した。
「これは私がお父様に頼まれて作成した遺言書の控えです」

誰が見ても明らかな佐藤さんの字と実印の押印。驚く長男と次男。そして複雑な表情の長女。
「デスクの袖机の上から3段目、クリアケースに入っていた遺言書の存在についてどなたか心当たりはありませんか?」
一瞬とも数十秒とも思えた沈黙の後、重い口を開いたのは長女だった。
「すみませんでした。父の遺言書を捨てたのは私です」