2023.05.24
動物園のパンダの前あしを握って…新人獣医師さんの「健診デビュー」が感動的だった!
ちょっと短めのおみ足にまるいボディ。唯一無二のフォルムを持つ、神戸市立王子動物園のメスのジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」。そのかわいい姿と優雅な所作から、親しみを込めて、“神戸のお嬢様”とも呼ばれています。
愛くるしいタンタンですが、実は現在27歳。人間で言うとおよそ80歳代という高齢パンダ。そして、中国への返還が決まっています。神戸で最後の時間を過ごす、お嬢様の様子を、動物園の休園日である水曜日にお届けします。

新人獣医師さんデビュー
年明けから少しずつ、いろいろなことを経験してきた新人の獣医師さんたち。4月頃から本格的にタンタンの健診デビューを果たしたそうです。「デビューは順調ですよ。なにせタンタンがベテランですからね」と笑うのは、飼育員の梅元良次さん。「違うことと言えば、僕と吉田さん(もうひとりの飼育員)が、新人さんに気を使うくらいですかね」と話してくれました。新人さんのときも、特に変わりなく健診をこなしてくれたというタンタン。気にしていたのは人間側だけのようです。

「ベテランの獣医師とも話し合ってようすを見ながら、人と動物がお互いに危険が少ないところから始めてもらっています」と、梅元さん。健診については、まず聴診や心電図など、タンタンに触るところから始めます。
最近行っている採血に関しても、前あしを押さえて血管を浮き上がらせる駆血(くけつ)から始めたのだそうです。人間の採血の時は、ゴムバンドやチューブの駆血帯を巻きますが、動物の場合は、駆血帯をつけたまま前あしを引っ込めてしまうのを防ぐために、人間が手で押さえるのです。お嬢様の前あしを握る……緊張しそうですが、ファンにとってはなんともうらやましいお話です。
