井上尚弥に続き弟・拓真がボクシング世界バンタム級王座獲得!「でも、まだまだ先がある」……井上兄弟のトレーナーである父・真吾氏に聞く
主要4団体統一王者を制覇した「日本ボクシング界の最高傑作」井上尚弥につづき、弟・拓真が世界バンタム級王者となった。
尚弥に続き、拓真は何を目指しているのか?
尚弥・拓真兄弟のトレーナーであり父である井上真吾氏に現代新書編集部が話を聞いた。
「達成感はないですね」
──拓真さんタイトル獲得おめでとうございます。お父さんとしては今どういうお気持ちですか。
井上真吾:気持ちですか・・・・・・。気持ちは・・・・・・あえて言えば、まあこれが「当たり前」と言いますか。ここがスタートラインなんで。
──とくに達成感があるわけではない?
真吾:達成感はないですね。拓真もそうですけど、自分も試合内容には納得してないですし、拓真にはまだ伸びるところがいろいろとあるんで。「これから」という気持ちのほうが強いです。単に一つの通過点を通過しただけ、ほんと、そう思ってます。
──拓真さんが以前に獲ったタイトルは「暫定」でした。今回は晴れて尚弥さんと同じく正規王者となったわけですが、「暫定」と「正規」という値打ちの違いのようなものは感じていらっしゃいますか?
真吾:「暫定」って言ってもあのときは正規のチャンピオンはいなかったので、自分としてはそれほどこだわりはなかったですけど、世間からそう言われるのであれば、やはり正規の王者に就いてもらいたいという思いはありました。本人は、他団体のベルトも獲りたいという思いが強いので、いまはまだ、「他にも獲らなきゃいけないものがある」という認識です。
──なので、達成感はない?
真吾:そういうことです。
──以前、拓真さんが暫定のタイトルを獲られたときにはお父さん、リング上でちょっと、うるっと来ていたようにお見受けしましたが、それに比べると、今回はずいぶん平静な感じでした。
真吾:あのときは、拓真の初の世界戦でしたから、やはり自分も緊張して、勝ったときには正直ほっとました。今回も、もちろんほっとはしましたよ。でも、まだまだやらなければいけないことが見えてきたんで。