G7出席で支持率39%に微増も…「韓日米同盟強化」に邁進する尹錫悦大統領を韓国国民は実際のところどう見ているか
国民の評価はかなり厳しめ
尹錫悦(ユン・ソンヨル)韓国大統領は今年5月10日に就任1周年を迎えた。
尹氏は文在寅(ムン・ジェイン)政権の検察総長を努めながら、曹国(チョ・グク)前法務長官をはじめとする政権関係者の不正疑惑に関する捜査を陣頭指揮し、権力と正面衝突したが、「ネロナンブル」(自分に甘く他人に厳しいというダブルスタンダード)政権にうんざりしていた国民からの熱烈な支持を得て生涯で初めて出馬した選挙で大統領に当選した。
これといった政治キャリアのない新人政治家・尹氏の大統領当選は、政権交代に対する韓国国民の熱望がどれほど大きかったかを知らしめた“事件”であり、これをよくわかっている尹大統領は就任後、外交安保や経済などあらゆる分野で文在寅政権の政策基調とは180度違う政策を推進してきた。

しかし、就任から1年が過ぎた現在、尹錫悦大統領に対する韓国国民の評価はずいぶんと厳しいものになっている。尹大統領就任1周年に合わせて発表された各種世論調査では、尹氏の支持率は30代半ばで、歴代大統領の中でも低い部類だ。
韓国ギャラップによると、尹大統領の就任1年の支持率は35%で、大統領直選制以後に就任した8人の大統領のうち6番目。盧武鉉(ノムヒョン)大統領(24%)、李明博(イ・ミョンバク)大統領(34%)だけが尹大統領より支持率が低く、前政権である文在寅大統領は78%、その前の朴槿恵(パク・クネ)大統領は57%だった。
尹政権にとって低迷する支持率よりも暗鬱なのは歴代最高の否定的評価だろう。尹大統領の国政運営を支持しないという評価は59%で、盧武鉉(57%)、李明博(55%)よりも高い。
中でも最も否定的に評価された分野は、外交全般(32%)と対日外交(7%)の39%で、経済と民生(12%)の順だった。ただ、肯定的評価の内訳も外交全般(35%)と対日外交(6%)が41%で最も高く、尹大統領の外交基調である「価値同盟」(自由と民主主義などの普遍的な価値を共有した国家との連帯)に対する評価が政治性向によって克明に分かれるものとみられる。