「ワクチン」には一言も触れていなかった
「放送を見て、『えー!?』って驚きました。私たちが訴えたかった『ワクチン死』については一言も触れられていなかった……」
取材を受けた一人、佐藤かおりさん(46歳)は悔しさを滲ませながら訴える。

佐藤さんは昨年11月に母・政美さんを亡くした(享年68)。5回目のワクチン接種後のことだった。夕飯の準備をしていたとき、急に体調が悪くなった政美さん。ちょっと休むと台所を離れた直後――。
「あかん!」
そう最後の言葉を残し、突然倒れた。救急搬送されるも目を覚ますことなく、還らぬ人となった――。
政美さんのCT画像をみると、肺に血が溜まり、気管まであふれている状態が映し出されていた。大病を患うことなく、亡くなる直前まで元気に家事をこなしていた政美さん。遺族は「ワクチン以外の原因が考えられない」と主張している(その詳しい状況については週刊現代2023年1月28日号でも伝えている)。
佐藤さんらはNHKから先の取材を受けた際、「肉親がワクチン接種直後に亡くなったこと」「遺族らはワクチン関連死であると思っていること」を、接種後の状況や死因などともに丁寧に伝えていた。しかし、そのほとんどが放送ではカットされ、ただ「コロナで亡くなった人々」という括りのなかで紹介されたのだ。
「私は母の死を無駄にしたくないと思い、ワクチン接種後に亡くなったという事実をしっかり伝えたくて取材に応じました。ワクチンの副反応で苦しんでいる方や、肉親を亡くしてどこに被害を訴えていいかわからない人もたくさんいます。役所や病院に被害を訴えても『さあ、わからない』と突き放された事実もあります。
そうした現状や遺族たちがいることをきちんと報道してほしい、遺族の声を届けてほしいんです……という趣旨を、カメラの前で話しました。ところが、放送で使われたのはその後半部分。亡くなったという事実だけ。その前段を伝えてもらいたかったのに、放送された映像はそうではなかった」(前出の佐藤さん)
取材を担当したNHKのディレクター・X氏らは、佐藤さんら遺族の話を神妙な面持ちで終始聞いていたという。