2023.05.27
# 中国

日本の不動産を爆買いする「中国の富裕層」がいよいよ急増中…そのウラにある「中国国内の苦しい現実」

「中国の富裕層」が、日本に不動産を買う事例が目立つようになっている。それはなぜなのか? 『中国人が日本を買う理由』を上梓した、ジャーナリストの中島恵さんがレポートする。

 

上海のマンション価格が急騰中

富裕層を中心に、中国人が日本の不動産を「爆買い」している。

その実態については、これまでの記事『じつはいま「日本への移住を望む中国人」が激増している…その「驚きの実態」』や『なぜ「日本への移住を望む中国人」がここへきて急増しているのか?その「驚きの理由」』で紹介した通りだ。

これらの記事では、中国の富裕層が「日本の暮らしやすさ」を求めていることを中心に見たが、中国国内の不動産事情に詳しい人に話を聞いてみると、中国人が日本の不動産を買っているのには、それ以外の理由もあるという。

東京都内で不動産業を営む中国人男性は、最近、中国に住む富裕層から聞いた話を教えてくれた。

「その男性は自宅以外に、深圳市内に約1500万元(約3億円)、約100平方メートルの物件を持っているそうなんですが、それを売り払おうとしたところ、なかなか売れない、というのです。最大の問題は値段が高くなりすぎたから。

いま、深圳や上海では、郊外にある80平方メートルくらいの2~3LDKの物件でも、日本円にして1億5000万円前後はするそうです。中心部にあるそういう物件だと2億~4億円くらい。1億円を超えるような金額だと買い手がなかなか現れない、とぼやいていました」

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