〈私も新たな対立の可能性は理解していた。だが、それは、NATOのせいではなく、ロシアが民主主義を保てるかどうか、にかかっていた。スウェーデンのカール・ビルト元首相が2021年12月にツイートしたように「NATOが東に拡大したのではない。旧ソ連の衛星国と共和国が西に行きたかったのだ〉
〈プーチン氏が2度もウクライナに侵攻したのは、ウクライナがNATOに加盟しそうだったからではなく、ウクライナの民主化が彼の独裁権力を脅かしたからだ。そして、彼はウクライナの地下に眠る貴重な資源を支配したかったのだ〉
〈プーチン氏が2度もウクライナに侵攻したのは、ウクライナがNATOに加盟しそうだったからではなく、ウクライナの民主化が彼の独裁権力を脅かしたからだ。そして、彼はウクライナの地下に眠る貴重な資源を支配したかったのだ〉
この論文で自己弁護に終始していたのに、いまになって「実は、プーチンが侵攻する可能性は、本人から聞いていたので知っていた」「ウクライナの核放棄は残念だ」などと言う。ウクライナの人々が、これを聞いたら「ふざけるな!」と怒るに違いない。

それでも、米国の支援なしには戦えないので、大統領を含めてウクライナの人々はいま、表立って米国を責められない。実に、哀れな立場に置かれている。
ただ、ウクライナが米英ロの圧力に抗して、核を保有し続けられたか、と言えば、そうとも言えない。昨年9月2日公開コラムで紹介したように、米国の核問題専門家、マリアナ・ブジェリン氏は「当時のウクライナにはカネがなかった。国際社会で孤立するわけにもいかなかった」という苦しい事情を指摘している。