2011.08.28

増税を主張できない腰抜け政治家とメディア

菅首相がいよいよ退陣〔PHOTO〕gettyimages

 「退陣」を表明しながら3ヵ月近くも粘った菅首相がいよいよ退陣、民主党は新しい代表のもとに再出発する。次の政権の大きな課題は震災復興のための増税を実施するかどうかだが、この国の政治家もメディアも増税論には消極的だ。国難の時期に大胆な政治が実現できないまま、この国は沈没していくのだろうか?

900兆円に迫る長期債務残高

 「お前馬鹿野郎かい」(小沢・前原・馬淵・鹿野・野田・海江田)

 代表選への立候補表明が相次ぐ中で、スポーツ紙や雑誌は、候補者の名前を連ねて、混迷の代表選を揶揄した。

 ねじれ国会が続き、新政権になっても、実行力が発揮できないのは十分考えられ、マスコミも、そうした状態に不信を募らせているのが、こうした現象にも現れている。

 「この国をどうするのか?」・・・閉塞状況の根本原因は、先進国中最悪の財政赤字だ。国と地方の長期債務残高は900兆円に迫っている。その増加ピッチは1秒に約100万円、1日に約900億円にもなる。

 2011年度の国の予算は一般会計で92兆円余だが、うち国債の利払いの費用が20兆円を上回る。

 東日本大震災の復興費用として10兆円規模の増税が必要と言われるが、それについて民主党内で反発が出て、「基幹税を中心に多角的な検討を速やかに行い」という表現でぼかされてしまった。

 民主党代表選でも、小沢元代表のグループは「増税はダメだ」と主張している。

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