2011.02.24
# 雑誌

経済論戦勝ったのはどっちだ!森永卓郎vs.池田信夫 激突120分

日本経済は破綻する?
週刊現代 プロフィール

池田 '06年の日銀の金融緩和により、1兆ドルといわれるおカネが日本からアメリカに流れた。そして、それこそがアメリカの不動産バブルを増幅させ、サブプライムローン問題につながった。日銀が金融緩和をやると、日本国内に資金需要がないから、カネは海外へ出ていくんです。

 もしも、今300兆円の金融緩和をやったらどうなるか。今度はカネが中国に流れて、中国のバブルをさらに膨らませることになる。ただでさえ中国経済は不動産バブルで危ないのに、日本のカネが大量に流入してバブルが崩壊したら、前回のアメリカのときより、もっとひどい危機を引き起こすことは確実です。

その話には根拠がまったくない

森永 でも、だからといって日本が金融緩和をやらなければ、中国バブルの崩壊を防げるというわけじゃないでしょ? 私が言いたいのは、なぜ日本だけが、ひたすら円高に耐える耐乏政策のようなことを続けているのかという……。

池田 じゃあ、日本は中国バブルを促進するような政策をしろというわけ? 僕は日銀がそれをしないのは、きわめて賢明だと思う。中国だけですむ問題じゃないでしょ。結局日本に降りかかってくるんですよ。

森永 そうおっしゃいますけど、昨年秋に日銀は金融緩和をやりましたよね。じつはその効果がすごく早く出ている。昨年12月の生鮮品を除く消費者物価指数の上昇率は前年同月比でマイナス0・4%まで回復しました。一昨年12月の数値はマイナス1・3%だったんですよ。

 一方的な円高に歯止めがかかったし、東証のリート(不動産投資信託)指数もかなり回復した。つまり大きな効果があったわけで、これをもっと拡大しましょうという話をしている。

---ただ先日、アメリカの格付け会社スタンダード&プアーズが日本国債の格付けを下げました。金融緩和の拡大は、さらなる格下げに繋がるという指摘も……。

通貨供給量が増えてもインフレにはならない?(池田氏提供)

池田 このタイミングで大規模な金融緩和なんてしたら、どうなるか。マーケットは、日本の国債は日銀が引き受けないと消化できなくなったと判断して、みんな逃げていきますよ。

 あなた(森永氏)が言うように、50兆円も100兆円も日銀が国債を引き受けたら、市場に対して「日本の財政はもう破綻する」とシグナルを送るようなものだ。

森永 それはないですよ。今回、国債の格付けが下がったあと何が起きたかというと、国債の値段が上がって円も高くなった。少なくとも市場はいま、日本がヤバイとは見ていない。

 だいたい日本の国債の95%は国内で保有されています。それが財政破綻したギリシャとの大きな違いです。日本の財政が本当の危機にさらされるのは、外資に大量の国債を持たれてしまうときでしょう。

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