シマジ いやいや、財力が許しません。
中野 でもここにチャーチルが愛用したグローブトロッターが3種類もあるじゃないですか。
シマジ この上にちょこんと載ってるのはミニ・トロッターです。
もう一つこれがヴァニティー・ケースです。
中野 なにを入れて行くんですか。
シマジ 葉巻とかシングルモルトとか化粧品とか本とか、いろいろです。これは紙でできているので軽くて、老来の身には助かります。
一方、こちらに置いてあるエルメスのバーキンは重くて、いまは部屋の調度品と化しています。若いときは大活躍したんですがね。
立木 中野さん、シマジはこのバッグを私に撮影させるんですよ。
中野 たしか、お2人で「メンズプレシャス」という雑誌で連載なさっていますわよね。
シマジ どちらかと言えば、わたしは英国紳士のアンダーステイトメントの反対語のハイパーボル、いわゆる誇張が好きなのかな。
立木 それをさりげなく典雅にアンダーステイトメントで撮影するのがわたしの仕事なんです。
中野 名コンビですわ。羨ましい。
<次号に続く>
著者:島地 勝彦
『知る悲しみ やっぱり男は死ぬまでロマンティックな愚か者』
(講談社刊、税込み1,575円)
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