2012.05.01

フォトルポ 稚魚・シラスウナギの大不漁で高騰。庶民の口に入りづらくなったスタミナ食に朗報!「バカ高」鰻重を安く!〝どこでもウナギ養殖〟の画期的技術

フライデー プロフィール
クロマグロの養殖にも着手。巨大水槽を高速で回転するように泳ぐため、水槽に縞模様をつけ、激突死を防いでいる

「ノルウェー産のサーモンなどは、ここと同じく完全に陸上で養殖された魚が輸入されており、欧州でも認められている安全な方法なのです。日本の魚は世界的にも安全ですが、薬を使わないで養殖はできません。海の養殖場で病気が蔓延すれば、生産量ががた落ちになるからです。しかし、屋内工場であれば水質を保つこともでき、生産量も安定する。現在、1m2あたりのウナギ生産量は3~10kgですが、100~200kgを目指します。そうすれば値上がりしたシラスウナギの代金を抑制することができると考えています」

 専門が化学の山本氏が、養殖を究め始めたのは「ダイビングや水中写真が趣味ですが、まったくの偶然」と笑い、ここまでの道程はすべて「独学」だという。その山本氏が目指すのは、日本の新しい"もの作り"としての養殖業である。

「斜陽産業である日本の養殖業は、魚工場を至る所に建てて、新たな漁業を勃興させる道を選ぶという分岐点に立っていると思います。欧州の陸上養殖は淡水魚に関してであり、海水魚では研究が始まったばかりです。日本の工場で育てた、安心・安全で質の良い魚が海外に輸出できる日も、遠くないと考えています」

 "山本ブランド"のウナギが市場を席巻してくれることを願ってやまない。鰻重が大好物な人々の、切なる願いである。

「フライデー」2012年5月4日号より

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