2012.12.26
# 雑誌

風邪薬で肝炎、痛み止めで腎臓障害、降圧剤で痛風、不整脈の治療でEDほか
完全保存版 知らないと危ない「クスリと副作用」一覧

週刊現代 プロフィール

「ただ、この治療でこの薬を使えば、ほぼ100%の確率で副作用が出るというものと、体質によってごく稀に副作用が出るというものがあります。この両者は、明確に分けて考えなければいけません。病院では、考えられる副作用をすべて説明するわけにはいかないので、高い確率で起こりうるものと確率は低いけれど起こると危険な副作用に絞って説明されています」(東京厚生年金病院泌尿器科部長・赤倉功一郎医師)

副作用で毛が生える

 副作用があるのは西洋薬だけで、漢方薬にはないと思っている人もいるが、これも大きなまちがいだ。

「西洋薬は主に一つの成分が一つの薬剤になっているものがほとんどですが、漢方薬はいくつかの生薬を混ぜたものがひとつの漢方薬になっている。そのため、何種類かを組み合わせて飲むと、ある成分だけが多くなり、副作用を引き起こすことがあります。たとえば、甘草という生薬は、カリウムを体からどんどん排泄する効果があって、それを摂りすぎれば低カリウム血症といって、だるさや筋肉の麻痺などが起こりえる。そのほか、肺線維症、肝障害、胃炎、下痢など、さまざまな副作用も報告されています」(前出・大和田医師)

 市販薬の副作用も、当然ある。冒頭の薬物性肝炎はその一例だが、ほかにも、アスピリンが含まれる痛み止め・バファリンなどの飲み過ぎによる胃潰瘍や薬物乱用頭痛(薬を飲むほどひどくなる頭痛)など、種々の副作用がある。

「薬局でも市販されるようになった『ロキソニン』も、抗炎症、鎮痛、解熱など幅広く使えて良く効く薬ですが、多用すると腎臓に負担がかかり、腎臓病につながる恐れもあるので、注意が必要です」(東京慈恵会医科大学附属病院腎臓・高血圧内科診療医長の横尾隆医師)

 乱用ほど危険なことはないのだ。とはいえ、副作用ならすべて有害---というわけでもない。開発段階の予想とは異なる作用が出るのが副作用だから、中には〝いい副作用〟もある。その代表がバイアグラだ。前出の赤倉医師が言う。

「バイアグラは、もともとは狭心症の薬として開発され、臨床試験で効果がないことがわかった薬剤です。ところが、被験者がなぜか薬を手放したがらない。おかしいと思って調べたら、ペニスへの血流を増やす働きがあることがわかった。かくして生まれたのが、勃起不全の治療薬としてのバイアグラです」

 まさに瓢箪から駒だが、似たようなケースはまだある。花粉症(アレルギー性鼻炎)で使われる抗ヒスタミン剤には、飲むと眠気を催すという副作用がある。これを逆手にとってつくられたのが、ドリエルなどの睡眠導入剤だ。

 前立腺肥大の治療には、男性ホルモンの働きを抑える酵素阻害薬を使うのだが、この薬には、髪の毛を太くしたり、発毛を促すという〝いい副作用〟がある。

「そこで、同じ酵素に対する阻害薬が、一つはアボルブという前立腺肥大の薬になり、一つはプロペシアという男性用の脱毛症の薬になっています」(赤倉医師)

関連記事