2012.12.26
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風邪薬で肝炎、痛み止めで腎臓障害、降圧剤で痛風、不整脈の治療でEDほか
完全保存版 知らないと危ない「クスリと副作用」一覧

週刊現代 プロフィール

 このように、薬にはプラスの副作用もある。とはいえ、やはり多いのはマイナスの副作用で、ときには重篤な障害を抱えたり、死に至るケースもある。

 そんなときに頼りになるのが、「医薬品副作用被害救済制度」だ。薬を適正に使用したにもかかわらず、副作用が出て入院が必要な障害に見舞われたり、死亡した場合は、かかった医療費や障害年金、遺族年金などが支給される。独立行政法人の医薬品医療機器総合機構に問い合わせると、詳細を教えてくれる。

 ただし、どんな副作用でも救済の対象になるというわけではない。対象外の副作用もある。その代表が、抗がん剤だ。

 抗がん剤は副作用のデパートといってよいほどで、ありとあらゆる副作用が出る。よく知られているのは脱毛、吐き気や嘔吐、倦怠感、口内炎、味覚障害、下痢などだが、アレルギーや感染症、間質性肺炎、肺線維症、心障害、肝機能障害、腎障害など、全身のいたるところに副作用が現れる。

 抗がん剤の副作用は、なぜこんなに多いのか。昭和大学病院腫瘍内科准教授の佐藤温医師が解説する。

「抗がん剤は、どんどん分裂していく細胞を攻撃する薬剤です。がん細胞がまさにそれなので、抗がん剤によって叩くことができるのですが、正常な細胞にも攻撃を仕掛けます。とくに頭髪の細胞、口の中の粘膜、小腸・大腸の腸管粘膜、白血球や赤血球、血小板をつくっている骨髄などは増殖が早いので、抗がん剤に攻撃されやすく、副作用が出やすいのです」

 先に挙げた副作用の多くは、これが原因で生じる。中でも深刻なのが骨髄のダメージだ。細菌などの病原体を攻撃してくれる白血球が減少すると、種々の感染症にかかりやすくなり、死に至ることもある。

「そもそも抗がん剤というものは、第一次世界大戦のときにドイツで開発された毒ガス(マスタードガス)から生み出されたものです。毒ガスに白血球を抑える作用があることがわかり、がんの治療に応用したのが抗がん剤なので、毒をいかにうまく使うかがカギになるのです」(前出・佐藤医師)

 抗がん剤には、あまり知られていない副作用もある。精子の減少や排卵障害などが起こり、「奇形が生じる恐れもある」(同前)。治療後1ヵ月程度は子作りは避けたほうがいい。

副作用は効いてる証拠ではない

 一方、がん治療に関しては、分子標的薬という、まったく新しい薬剤も開発されてきた。

「分子標的薬は、主にがん細胞だけを叩きます。そのため、抗がん剤のような副作用は出ないけれど、皮膚にぶつぶつが出る、手の平や足の裏が赤くなったり剥けたりします。ただ、これらの症状の一部は薬の効果を反映していて、むしろ歓迎すべき徴候のこともある。ただし、抗がん剤の場合、一般的に『副作用は効いている証拠』というのは迷信です。我慢しすぎないでください」(同前)

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