2012.06.06

ドン小西 第1回 「ボルタレンの座薬をぶち込んで熱を下げ、ラムとシガーで語り明かしたハバナの夜」

島地 勝彦 プロフィール

 男が一人前の人物になるには、大病をしてそこから立ち上がるか、監獄に入ったあとに悠々として生きるか、あるいは、自分の会社が倒産の憂き目にあってもそこから這い上がってくるかだと、むかしの人はよく言ったものだ。

 ドン小西こと小西良幸は20数年前、200人の従業員を従えるアパレル会社の社長をやっていた。だがある日、目を覚ましたら会社は20億円の負債を抱えて倒産寸前になっていた。ドンは従業員こそ整理したものの、会社を倒産させずにコツコツと返済を続け、あと数千万円のところまできた。さっさと自己破産してドロンを決め込むいまどきの経営者とは訳が違う。じつにマンリーな経営者だったのである。

 そういうドンは女によくモテる。彼がひとりでいるとか、また男の友達と飲んでいる姿はみたことがない。毎晩必ずフルボディのいい女を横付けしているのだ。

 

立木 はい、おふたり、こちらをみて。そうそう。

ドン 巨匠が撮ってくれるんだったら、もっとちゃんとして来るんだったな。

シマジ ドンさんはいつもちゃんとしているよ。お洒落な人はひとりでいても、ちゃんとしているものだぜ。

ドン さっきまでテレビ・ショッピングの仕事をやっていて、そのままカフェ・ド・シマジに駆けつけてきたんだ。もっとビシッとしてくればよかった。残念だ。

立木 全然ヨレていない。大丈夫。

ドン そうですか? これが島地の自慢のエスプレッソマシンか。新しいヤツだね。

瀬尾 そうです。これは新製品です。牛乳を入れると瞬時にして美味しいカプチーノが出来るんです。

シマジ 操作も手軽で掃除も簡単だよ。