2010.03.15
# 雑誌

上から5番までは本物です
首席で卒業した男の頭脳

「東大までの人」と「東大からの人」第2弾 vol.1
週刊現代 プロフィール

 もとは大の読書好きの文系寄り。それが生命の存在する地球型惑星が見つかる可能性が出てきたと知り、惑星科学に魅かれ出した。

 今は日本学術振興会に雇われる形で、東京工業大学の部屋を借りて惑星の研究を続けている。

「給料は月額35万円。ボーナスや福利厚生は一切なく、自分で国民年金や国民健康保険料を払わなければいけないので、この給料が多いか少ないかは分かりません。ただ、自由な立場で好きなことを研究していればいいので、満足しています」

 冒頭の片岡氏と同様、佐々木氏もこう言う。

「将来的にはどこかの大学で准教授や教授になって、研究は続けていきたいと考えています」

 そのころには、生命のある地球型惑星が見つかっているのではと、佐々木氏は夢を語るのである。

 現在、慶応大学准教授の小幡績(せき)氏(42歳)は、国立千葉大学附属小学校、同中学校、学芸大附属高校、2浪して東大経済学部と進み、同学部を首席で卒業して、官庁の中の官庁と呼ばれた大蔵省(当時)に入省した。

 その後'99年に退職。ハーバード大学に入って経済学博士号を取得し、現職に就いている。

 何とも華麗な経歴だが、学生時代はどんな勉強をしてきたのか。

「家では特に勉強はしませんでしたが、学校の先生の話はよく聞いていましたね。小学校の先生に『小幡君ほど先生の話を一生懸命聞いてくれる生徒はいない。素直で一生懸命だった』と言われたことはよく覚えています。
  東大でも経済学部の授業は皆勤でした。大学の授業はつまらないという人もいるけど、やはり東大のそれは面白いんですよ。僕は先生の話も真剣に聞いたし、教科書もちゃんと読み、予習復習もやっていた。珍しいよね(笑)」

 小幡氏の話で興味深いのは、要領よく点数をとるための勉強、テクニックだけの勉強はしないということだ。受験テクニックを磨くといった発想は、もとからなかった。東大入学までに2浪した理由のひとつもこれだった。

「僕は徹底的にやるか、徹底的にサボるかのどちらかなんです。高校時代は後者で、ほとんど授業を聞かずに好きな本を読みまくっていました。でも、小学校と大学では誰より一生懸命授業を聞いていた。東大で、僕以上に勉強をやったという人はいないでしょう。それくらい徹底してやった」

 テクニックを磨くことはしないというこの"性癖"は、就職のときも発揮されたという。

「大蔵省は受かりましたが、銀行や外資系コンサルなどはすべて落ちているんです。理由は要領よくウソがつけなかったこと。大学生で人生を語るなんてウソでしかない。それはできません。でも、面接ではそれを聞いてくる。
  多くの銀行では志望動機を訊(たず)ねてくるし、『第一志望なのか』ともしつこく言ってきた。僕は『まだ(大蔵省を)受けていないから、そこを見てみないとなんとも言えません』と答えましたよ。
  虚構を構築するのは苦手なんです。その点、大蔵省は志望動機なんて聞いてこない。彼らは『受かったらウチ以外に行くはずがない』と思ってますから(笑)。これはすごいラクで、政策論議をやってるだけでよかった。それで受かったんでしょう」

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