「40代後半の会社員が、同僚とお酒を飲んだ帰り道に事件は起きました。人通りの少ない道で、少し前を若い女性が歩いていた。するとその会社員が『ちょっと声をかけてくる』と言って女性に駆け寄った。気軽に女性に声をかけるタイプではなかったため、同僚が不審に思っていると、その会社員は女性の前で、いきなりズボンとパンツをずり下ろしたんです。
女性が悲鳴を上げ、同僚は『何やってんだ!』と慌ててパンツをはかせた。女性が逃げたから事件化はしなかったけど、同僚が心配して奥さんに告げ、その後夫婦で相談に見えました。
ご主人は非常におとなしい方で、『なぜそんなことをしたのかわからない。酒で記憶を失うことはよくあるので、他にもしているかもしれない』とひどく落ち込んでいました」
この男性も中間管理職で職場の人間関係に悩み、また奥さんともセックスレスだった。カウンセリングオフィスAXIA代表で性犯罪者の心理に詳しい衣川竜也氏が語る。
「痴漢、盗撮、露出をしてしまう方には共通点があります。ストレスに対して我慢強いことと、我慢しているうちに鈍感になっているということ。口数が少なく真面目な人が多い。
もちろん被害者がいるので擁護はできませんが、性格が曲がっているというよりは、無口で素直で、ちょっと子供っぽい純粋さを持っている。強いストレスがかかって脳が悲鳴を上げているのに自覚がなく、趣味もないので発散していないというタイプが多い」
50代を生き抜くのは難しい
思秋期の症状の一つであるED(勃起不全)がキッカケで痴漢した例も報告されている。前出の池内氏が言う。
「都内で会社を経営する50歳男性のケースです。会社の売り上げが伸び悩み、社員の退職も相次ぎ、家庭では子供たちに疎まれる。50代にありがちな悩みを抱えていたが、奥さんとの関係は良好で、月に3~4回セックスするほどでした。
ところが、ある日突然、ご主人はEDになってしまった。そして、予想もしない事態に大きなショックを受け、奥さんに打ち明けることもできず、セックスを避けるようになってしまったんです。急にセックスがなくなったため『浮気をしているのではないか』と不審に思った奥さんが問い詰めると、ご主人はこう告白したそうです。
『浮気なんて呑気な話ではない。実は勃たなくなってしまったんだ。でもムラムラするしスケベな気持ちにはなる。本当に偶然なんだが、電車に乗っていて手が若い女の子のお尻に当たったのが、すごく刺激的だった。それ以来、これならEDが治るかもと、ワザと女性の身体に近づくようになってしまった。