2013.06.12
# 雑誌

話題の本の著者に直撃!田中森一
獄中で論語を読み直して「恕」の精神で生きると決めた

フライデー プロフィール

 人の上に立つ者ほど「人間学」を学ぶ必要があるのに、知識偏重の教育システムのなかで育った彼らには、道徳観や倫理観を身につける機会がないんですよ。法律の世界なんてしょせんは社会のドブ掃除で、民事でも刑事でも人間のいちばん醜いところが出てくる。知識だけでは人の痛みは理解できんし、本当の仕事もできんはずやろ。だからこそ、彼らには論語を通じて人間学を身につけてほしい。

 論語の魅力を広めるために、今後は全国で論語塾や若い経営者向けの論語講座を開催していく予定です。いつまでも闇の守護神ではアカンからね(笑)。「恕」の精神に則って、人のために生きていく。この本は自分が「表」に出るための、最初の一歩でもあると思とるんです。

著者オススメの2冊

運命を拓く天風瞑想録』中村天風
講談社文庫 580円
日露戦争の諜報員として幾多の死線を乗り越えてきた著者が綴る、人生の指南書。「懲役3年の判決を受け、その直後に胃ガンを宣告される地獄のような孤独を感じていたときに読んだ。私の心の杖となってくれました」

孔子』井上 靖
新潮文庫 746円
収監中に読んだ数百冊の論語関連本の中で、最も感銘を受けたのが、孔子の一生を小説の形でまとめたこの本。「14年間の苦難の流浪生活の中、信念と理念を忘れずに生きた孔子の姿が見事に描かれています」

「フライデー」2013年5月24日号より

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