2013.05.30

[サッカー]
大野俊三「日本代表、豪州戦は勝ちに行け!」

スポーツコミュニケーションズ

理想的だったプロ人生唯一のゴール

 力強さで言えば、強く印象に残っているのがパトリック・エムボマ(当時G大阪)のゴールです。97年の第1節ベルマーレ平塚戦で、ちょうど私が解説を務めていました。その試合がデビュー戦だったエムボマが左サイドのPA手前でDF2人に仕掛け、ボールが相手の足に当たって浮いたところをポン、ポーンとリフティングでコントロールして、振り向きざまに左足ボレー。ドロップしたボールがゴール右隅に決まるのを見て思わず「おお!」と声が出ました。

 また自分で言うのも何ですが、私のゴールもなかなか良かったんですよ(笑)。93年セカンドステージ第17節のジェフユナイテッド市原戦でした。私がジェフのCKを頭でクリアしたボールがサントス、アルシンドと渡った。その時、前を見るとゴールまでの道がスカーンと空いたんです。味方も相手のDFもいない。「上がれる!」と思って一気にゴール前までオーバーラップすると、左サイドを攻め上がっていたアルシンドからグラウンダーのアーリークロスがきた。それをPA手前右寄りの位置からダイレクトで打ちました。ゴール左上に決まったのですが、攻撃のかたち、シュートの弾道ともに理想のかたちでしたね。結局、これが私のプロ人生唯一のゴールになりました。

「なぜオマエがあそこまで上がったのか?」と聞かれても「前に道が開けたから」としか言いようがない状況でした。ゴールに導かれたといいますか……おそらくレオやエムボマのシュートも同じような境地で打ったものだと思うんです。一瞬のヒラメキ、思い切りの良さを試合で出せることは、プロの選手として重要な要素。それをたとえばアルベルト・ザッケローニ監督が視察に訪れている試合で見せられれば、日本代表に選出されることにもつながっていくのではないでしょうか。

関連記事