2013.05.30

[サッカー]
大野俊三「日本代表、豪州戦は勝ちに行け!」

スポーツコミュニケーションズ

守備のポイントはサイドとゴール前

 オーストラリアは194センチのジョシュア・ケネディを筆頭に、高さとフィジカル能力に優れたチームです。対策としては、ボールを与えないことが最も重要になります。日本の高い技術を発揮して、ボールをキープすることが求められます。その一方で、パスをつないでいる時もカバーリングするべき位置を確認するなど、攻守の切り換えを意識しておかないといけません。ボールを奪われた時に素早くアプローチをかけられるように、選手間の距離をコンパクトに保っておく必要があります。

 守備で重要なポイントは2つあります。まずはオーストラリアのサイド攻撃への対応です。オーストラリアはゴール前の高さを生かすため、シンプルにクロスを上げるサイド攻撃を仕掛けてくるでしょう。横からのボールはキッカーとマーカーの同一視が難しくなるため、どうしても反応が遅れがちになります。ですから、ボールを奪われた後は両サイドの選手に速いプレスをかけ、クロスを上げられる前に仕留める、もしくは後ろにパスを戻させたいですね。

 2つ目はゴール前での攻防です。クロスを上げられた場合は、ゴール前にいる相手に体を寄せて飛ばせないこと、もしくはスペースに走り込ませないポジショニングが重要になります。両サイドのケアとゴール前でのポジショニング。日本の守備陣は常にこの2つを意識しておかなければなりません。幸い、DFラインとボランチの選手は初日から練習に参加できているようですから、オーストラリア戦までに少しでも連係の精度を上げておいてほしいですね。

 日本はあと勝ち点1を獲得すれば自力でW杯出場権を得られますが、引き分け狙いでは絶対にダメです。やはり勝ちにいく姿勢で臨まないと、取れるものも取りこぼしてしまいます。90分間、先制点を奪い、追加点を狙うことだけに徹する。その結果が最終的にW杯出場というかたちになるのではないでしょうか。

 今年は“ドーハの悲劇”からも20年になります。あの時、私たちが痛感したのは「試合終了まで何が起こるかわからない」ということです。選手たちには最後の笛が鳴るまで、勝つ意識をしっかり持って戦ってほしいですね。そして、埼玉スタジアムやテレビで応援しているファン・サポーターたちと喜びを分かち合う瞬間を迎えられることを願っています。

大野俊三(おおの しゅんぞう)プロフィール>
元プロサッカー選手。1965年3月29日生まれ、千葉県船橋市出身。1983年に市立習志野高校を卒業後、住友金属工業に入社。1992年鹿島アント ラーズ設立とともにプロ契約を結び、屈強のディフェンダーとして初期のアントラーズ黄金時代を支えた。京都パープルサンガに移籍したのち96年末に現役引 退。その後の2年間を同クラブの指導スタッフ、普及スタッフとして過ごす。現在、鹿島ハイツスポーツプラザ(http://kashima- hsp.com/)の総支配人としてソフト、ハード両面でのスポーツ拠点作りに励む傍ら、サッカー教室やTV解説等で多忙な日々を過ごしている。93年J リーグベストイレブン、元日本代表。

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