脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
第1回 グローバル社会VS. 国民国家のゆくえ その3
内田樹 中島岳志 平松邦夫 イケダハヤト 小田嶋隆 高木新平 平川克美
小田嶋 ねえ!
内田 こんなナイーブな人たちが新聞作ってるのかって思うと、ね。さっき言ってた黒塗りの車ね、僕が大学にいた頃、取材に来たことがあって、少子化とか晩婚化とかそんな話で。今日明日に記事にしなきゃいけないような話じゃないのにさ、社用車で朝日の旗立てて、来るんだよ。急ぐ話じゃないんだから、電車で来いよ。取材して、すぐ社に戻って原稿仕上げないと締め切りに間に合わないというような話だったらわかるけど、晩婚化の話で送迎車なんか要らないだろうって(笑)。特権階級だというのはほんとうだと思う。ああいうことってすごく大きいんですよ。黒塗りの車で取材に行って帰れるというような就業条件が、その人の世界の見え方をほんとうに変えちゃうんだよね。
小田嶋 そうですよね。
内田 そういうことがわかってないよ。
平松 朝日新聞の方も今日取材に来られているかも……(笑)。
内田 あ、すいません、ごめんなさい。今月も紙面審議会あるし(笑)。
平松 他の新聞社やメディアの方にも入っていただいておりまして、ニコニコ動画で生中継もされてますから。全世界に向けて(笑)。

著者=内田樹 中島岳志 平松邦夫 ほか
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内田 ニコニコ動画ぐらいはいいか。
小田嶋 ニコニコ動画!やだなあ。またネトウヨが!
平松 あははは。実は、私もツイッターをやってるんですけど、その経験から言うと、やっぱり小田嶋さんのように開き直れない。ワーッとかかってきた人に対して、小田嶋さんはものすごく丁寧に反論をされてますよね。
内田 あれが丁寧なの?(笑)
平松 丁寧にとっ散らかしておられるというか。
内田 全部じゃないよね、際立ってるものに対応してる。
小田嶋 いや、勝てる相手だけです。
内田 えらい!
小田嶋 グウの音も出ないことを言われた時は無視してますが、なんか突っ込みどころのあることを書いてきたやつには、ちゃんと言い返して撃退する。大切なことです(笑)。