重力理論と量子力学を統合した先の衝撃!『大栗先生の超弦理論入門』

九次元世界にあった究極の理論

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「空間」とは幻想だった

私たちは「どこ」に存在しているのか?
物質の基本は「点」ではなく「ひも」とする超弦理論によって、
ニュートンの力学、アインシュタインの相対性理論に続く
時空概念の「第三の革命」が始まった。
現代物理学における究極のテーマ「重力理論と量子力学の統合」には、
なぜ「ひも」が必要なのか?
「空間が9次元」とはどういうことか?
類のない平易な説明の先に待ち受ける
「空間は幻想」という衝撃の結論!

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はじめに

 人類は古くから、「空間とは何か」「時間とは何か」と問いかけてきました。私たちは、空間や時間の存在を、当たり前のものとしてふだんの生活で前提にしています。しかし、それが何かをあらためて考えてみると、深遠な問題に突き当たります。現代の私たちは縦・横・高さのある三次元の空間に住み、過去から未来に一様に流れる時間に沿って生きていると感じていますが、空間と時間についての考え方は、科学の発展とともに大きく変わってきているのです。

 古代ギリシアの時代から盛んに議論されてきたのは、空間や時間が、その中にある物質とは独立に存在するのかどうかという問題でした。紀元前四世紀の哲学者アリストテレスは、物質で満たされていない純粋な空間はありえないと考え、「自然は真空を嫌悪する」と主張しました。空間も、そして時間も、物質やその運動に付随して定義されるものであり、それらと独立に存在してはいないというのです。

 アリストテレスのこの時空概念は、その後、ヨーロッパを二〇〇〇年もの間、支配しました。しかし一七世紀になって、アイザック・ニュートンが最初の革命を起こします。ニュートンは力学の理論を完成するために、物質から独立した「絶対空間」と「絶対時間」の概念を導入します。空間とは、その中で起きる自然現象の入れ物であって、その中で何が起きているのかに関係なく存在する。時間とは、宇宙のどこでも一様に刻まれていくものである。これらは、空間や時間について現代の私たちが持っている感覚に近いものでしょう。ニュートンの力学は現代社会を支えている科学の基礎なので、「絶対空間」や「絶対時間」も、私たちの考え方に染みわたっているのです。

 ところが二〇世紀になると、時空概念に第二の革命が起きます。アルベルト・アインシュタインが、空間と時間は絶対不変というニュートンの考え方をくつがえしたのです。

 アインシュタインは一九〇五年、観測者の速度によって空間や時間は伸び縮みするという特殊相対性理論を発表します。さらに一九一六年には、物質の間に働く重力が空間や時間の伸び縮みによって伝わることを示す、一般相対性理論を発表しました。空間や時間は、物理現象の単なる入れ物ではなく、その中で働く重力と深く関わっていて、伸びたり縮んだりするというのです。

 時間や空間が伸び縮みするというのは、なじみのない考え方かもしれません。しかしアインシュタインの理論は、私たちの日常生活でも使われています。スマートフォンやカーナビで使われているGPS(全地球測位システム)が位置を正確に決めるためには、特殊相対性理論や一般相対性理論による時間の伸び縮みを計算に入れる必要があるのです。

 ところが、話はアインシュタインで終わったわけではありませんでした。いま、時空概念に第三の革命が起きようとしています。それは、空間とは私たちの「幻想」にすぎないという、とんでもない話です。

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