本田直之×安藤美冬【第1回】
会社員でも「仕事と遊びの垣根を越えて」働くことをもっと面白くできる

働き方に対する選択肢が少なすぎる
安藤: 今日は『安藤美冬流 21世紀の歩き方』第9回のゲストとして、レバレッジシリーズをはじめ、『あたらしい働き方』など著書累計200万部を突破する、レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEOの本田直之さんにお越しいただいています。
本田: よろしくお願いします。
安藤: さっそくですが、本田さんが6月に上梓された『あたらしい働き方』についてお伺いします。まず、どんな人に向けて、どんなメッセージを伝えたいと思ったんですか?
本田: 本当は「成長したい」とか「伸びたい」と思っているんだけど、ミスマッチな会社で働くことによって、才能が潰されちゃっているかもしれないし、活かせないかもしれないという人たちかな。そういう人たちが結構いると思う。
安藤: 日本では最近、「働き方ブーム」と呼べるほどこのテーマにまつわる本が発売されています。なぜ、本田さんは今、このテーマで本を出そうと思ったのですか?
本田: 大学の講義で話したり、いろんな人と話しても、みんなの思っている企業イメージっていうか、企業、働き方に対する選択肢が少なすぎるんだよね。だから、『ノマドライフ』っていう、会社員じゃない人向けの働き方の本は出したんだけれども。
でも、そうじゃなくて、会社員でも、俺の周りにすごく楽しそうに働いている人いっぱいいるなと思っていたわけ。アメリカに行くと、もっとそういう人がいるし。会社員だからダメなのかとか、ノマドだから良いのか、っていう問題じゃなくて、働き方っていろいろあるのに、みんな気付いてないし、選択肢がないと思っている。
じゃあ、そういう会社にたくさんインタビューして、実際に今、どういう働き方をしているのか、どういう人を求めているのかを書いてあげたいなと思って。

安藤: 要するに、(特に)学生が多様な働き方を叶える選択肢を知らないということでしょうか? つまり会社で働くか、起業をするか、あとはせいぜい資格を取得して活かす道くらいしか。
本田: そうですね。そして会社で働くといっても、大企業で働くのか、ベンチャーで働くのか、っていう選択肢くらいしかないと思ってるでしょう。
安藤: なるほど。確かに日本では、「規模」で選択することが多いように思いますね。大企業か、中小企業か、ベンチャーかという。
本田: 大企業で働くのは安定しているからとか、そんな理由になってきちゃった。だから、より「権利思考」っていうか、「ワークライフバランス」とか、そういうとこにいっちゃう。
実はそうじゃなくて、働くってもっと面白いことで。俺がよく言っている、「遊びと仕事の垣根をなくす」っていうことを、会社員だとできないと思っている人が結構いるんだよね。
でも、実は会社員でもそれができている人はいるわけで、そういう人たちは、会社っていうプラットフォームを大いに活用して、もっと楽しいことができている。そういうものを、ちゃんと体系立てて、実例もあげて出してあげたいなと思って。