2013.12.16
第8回マニフェスト大賞決まる
ネット活用解禁で新賞創設 応募数は初の2000件超に[地方自治]

第8回マニフェスト大賞(実行委主催、毎日新聞社・早稲田大マニフェスト研究所共催、共同通信社後援)の受賞者が決まった。最高位のグランプリは首長、議会、市民の各賞の受賞者からそれぞれ選出。首長グランプリは最優秀マニフェスト賞を受けた清水勇人・さいたま市長が選ばれた。
今年はインターネットを活用した選挙運動が解禁され、最優秀ネット選挙・コミュニケーション戦略賞を新設した。「ネット選挙元年」を象徴するよう情報通信技術(ICT)を活用した取り組み例も目立ち、応募総数は過去最多の2108件に上った。各受賞者を紹介する。
首長グランプリ
最優秀マニフェスト賞(首長) 清水勇人・さいたま市長
09年5月に当時の現職を破って初当選し、掲げたマニフェスト「さいたま市民しあわせ倍増計画」を行政計画「しあわせ倍増プラン」の139事業に落とし込んだ。約半年かけて市職員と議論し、自身がマニフェストに込めた思いや狙いの共有を図った。
各施策の実施期限は「すぐ」から「4年以内」までと明確にし、透明化に努めた。「具体的に明示することが、私自身の政策遂行のエネルギーにもなる」。マニフェストの達成度を検証するため、学識経験者や一般市民など幅広いメンバーからなる「市民評価委員会」による外部評価を毎年行った。マニフェスト検証大会を毎年開催したほか、現場訪問400回▽学校全校訪問▽理念条例の制定――などを実行した。これらには激しい衝突も生まれず、多額の予算も必要ない。マニフェストの約9割を達成し、評価委員からは「目標設定が現実的だ」との声も上がる。
今年5月にスタートした2期目では、マニフェストから「プラン」に落とし込む過程にも市民が参加する。評価だけでなく目標設定にも市民の意見を取り入れ、進化を目指している。